2014 Fiscal Year Research-status Report
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24720134
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
乙黒 麻記子 日本大学, 理工学部, 助教 (60551249)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 英文学 / 南太平洋の英語文学 / R. L. Stevenson / Somerset Maugham |
Outline of Annual Research Achievements |
残念ながら、平成26年度は具体的な研究成果(口頭発表や論文など)の成果は得られなかった。これは、平成25年12月の出産と、それに前後した産休・育休の取得、妊娠中や復帰後の体調不良などが原因である。職場の方々のご理解とご協力のもと、通常業務はこなしているものの、研究活動を以前と同じペースで行うことはまだまだ難しい。そのため、25年度に引き続き、26年度も当初計画していたような研究成果を出すことはできなかった。 そうした中ではあっても、平成26年度に新たに執筆を始めた論文が2本あり、これらについては平成27年度中には所属学会の学会誌などに投稿する予定である。一つはスコットランド人作家R. L. Stevenson(1850-1894) 最晩年の寓話"Something In It"についての論文で、これは24年度の後半から行ってきたStevensonの南海物研究のまとめとなる予定である。もう一つはSomerst Maugham(1874-1965)について論じた研究で、こちらは南太平洋を舞台とする英語文学の系譜におけるモーム文学の位置づけを考察している。 その他、平成27年3月10日から15日までハワイ大学マノア校に資料収集のための海外出張を行い、一定の成果を得た。具体的には、南太平洋文学関連の最新の資料やアーカイブに関する情報を得たほか、ハワイを初めとする南太平洋島嶼部の歴史に関する貴重な資料を収集することができた。ハワイ大学マノア校は南太平洋文学・文化研究の中心地であるだけでなく、図書館の司書の中にも優れた研究者や作家・詩人として活躍中の者もいるなど、単なる資料収集に留まらない貴重な交流を持つことができた。そのため、ここには平成27年度に再訪することも検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年12月9日の出産に伴い、当初の研究計画に大幅な遅れが生じている。平成25年度(妊娠中および出産直後)もすでに研究が遅れ気味であったが、平成26年度は約5か月の産休・育休の取得のみで職場復帰したこともあり、状況は非常に厳しいものであった。具体的には、計画していた海外出張や国内出張の日程変更や中止、自身や家族の体調不良、そして研究時間確保の困難などが挙げられる。申請の結果、補助事業期間を平成27年度まで1年間延長していただいたので、過去2年分の遅れをなんとか取り戻していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間の1年間延長を許可していただいたため、平成27年度が最終年度となる。具体的には、(1)平成24年、25年に行った2つの口頭発表の研究内容を論文として仕上げること、(2)現在、新規で執筆中である2本の論文を仕上げること、また、(3)今年3月のハワイ出張で得た新しい知識を利用して、現代南太平洋の英語文学に関する新しい研究をスタートさせることが今年の目標である。特に(3)に関しては、今年度後半から来年度にかけて行われる学会に積極的に応募していきたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度は職場復帰(研究活動の再開)直後であり、従来通りのペースで研究を行うことが難しかったため、平成27年度の1年間の補助事業期間延長を申請した。そのため、26年度は翌年度(27年度)分の予算を残すことを考えていたので、このように差額が生じることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、残りの予算を用いて、ニュージーランドのオークランド大学か、ハワイ大学マノア校(2回目)に資料収集のための出張を1週間ほど行いたいと考えている。両大学とも、現代南太平洋作家らの活動の中心となっており、今年度の目標である現代南太平洋文学の資料収集には最適の場所である。ちなみに、ハワイ大学には平成26年度にも出張しているが、滞在が短期間であったため十分に資料収集する時間がなかった。また、出張以外にも、当該分野に関する一時文献(作品)や二次文献(研究論文)などを追加購入したいと考えている。
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