2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the Formation and Development of Charlotte Bronte's First Person Narrative and Its Connection with Eighteenth-Century Epistolary Novels
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24720140
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
馬渕 恵里 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (00612912)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | シャーロット・ブロンテ / 初期作品 / 書簡体小説 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、18世紀書簡体小説についての資料を収集しそれをもとに書簡体小説についての知識・理解をさらに深めることが中心となった。そのような中、2019年6月開催予定の日本オースティン協会の年次大会で発表することとなり、本研究課題の研究対象であるC.ブロンテと18世紀作家との間に位置するオースティンの小説技法について、これまでの研究で得たC.ブロンテと書簡体小説に関する知見を活かしつつC.ブロンテと書簡体小説との関連性も考えながら、分析・考察を進めているところである。 補助事業期間全体を通した研究成果については、C.ブロンテの初期作品に関する研究は開始当初の目標を達成することができた。助成を受けて、入手困難な未出版原稿をBronte Parsonage Museumやリーズ大学図書館で閲覧することができ、所在不明となっている原稿を除くすべてのC.ブロンテの初期作品を確認し、10年以上に及ぶ習作時代の小説技法・形式の特徴やその変容について考察し、その成果を阪大英文学会第46回大会および『英語のデザインを読む』や『ブロンテ姉妹と15人の男たちの肖像』などで発表した。依然として入手しづらい資料もあり、十分に研究が進んでいるとはいえないC.ブロンテの初期作品について、単にその概要を把握するだけでなく、『ジェイン・エア』や『ヴィレット』などの後の4つの小説も視野に入れながら、初期作品全体における小説技法・形式の発展とその意味について包括的な分析と考察ができたことは、C.ブロンテ作品研究の更なる発展にささやかながらも貢献できたものと考えている。18世紀書簡体小説とC.ブロンテの小説技法・形式(とくに一人称形式)との関連については、期間内で十分な研究成果を上げることができなかったため、新たにオースティンなども研究対象に加えつつ、今後の研究課題として引き続き考察を続けたいと思う。
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Research Products
(1 results)