2016 Fiscal Year Annual Research Report
Medical Discourse and Narrative in the Victorian Literature from Historical and Cultural Perspectives
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24720141
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
西垣 佐理 近畿大学, 農学部, 講師 (00581042)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヴィクトリア朝文学 / 医療表象 / 物語 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、以前から取り組んでいた男性による看護と物語展開に関するテーマについて研究を重ね、結果オリーブ・シュライナー『アフリカ農場物語』とチャールズ・ディケンズの『マーティン・チャズルウィット』および『大いなる遺産』を比較分析した論考を、「『アフリカ農場物語』と男性による看護:ディケンズ作品と比較して」と題して、2016年12月に日本英文学会関西支部第11回大会にて口頭発表を行った。数多くコメントを頂いたものを踏まえて、現在論文として改稿し、学会誌に投稿する準備を行っているところである。 今年度が最終年度であったが、かねてからの研究計画に沿って一定の成果を上げることができたように思う。 研究期間全体を通して、最初に想定していたテーマ(ディケンズ・ギャスケルといった作家作品分析)に忠実に取り組めたところと、別の時代の作家の作品(特にヴァージニア・ウルフ)においても自分の仮説が適用できことがわかったのは大きな収穫であった。 特にヴィクトリア朝における看護の言説が、20世紀においても続いていたという点、および、看護の担い手が性別によって物語展開や登場人物造型に大きな違いが生じることがわかったことで、看護行為を中心とした医療表象がヴィクトリア朝文学を研究する上で一つの大きなテーマとなり得ることが証明できたように思う。 今後、これまで扱ってこなかった作家や時代、特に20世紀初頭の文学においても看護・医療の言説がどのように描かれているのかを検討していくつもりである。
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