2016 Fiscal Year Annual Research Report
Reception of the Federico Garcia Lorca's theatre in Japan
Project/Area Number |
24720155
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
森 直香 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (60611829)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ロルカ作品の日本における受容 / ロルカ作品の悲劇的世界観 / ロルカ青年期の作品群 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度に引き続き、悲劇的世界観が青年時代の戯曲群にどのような形で表れているかを考察した。その結果、ロルカは、神への不信から生まれる苦悩をキリストの犠牲のイメージによって解決しようとしていたことが明らかになった。これについては研究発表を行い(“La vision tragica del mundo en las obras ineditas de juventud de Federico Garcia Lorca” (日本・スペイン・ラテンアメリカ学会 (CANELA) 第28回大会、2016年5月15日、於 在日本スペイン大使館)、さらに論文としてまとめた(“ La vision tragica del mundo en las obras ineditas de juventud de Federico Garcia Lorca”, Cuadernos CANELA, 28, 14 pp., 2017年5月刊行予定)。 さらに、この悲劇的世界観を日本人読者がどう解釈したのか、そしてそのような解釈はどこから生まれたかについても検討した。作品の悲劇的世界観と作家本人の死を結び付けて解釈をする者が少なくなかったが、これにはフランス人研究者フランソワ・ヌルシエの研究書『劇作家ロルカ』(Francois Nourissier, Federico Garcia Lorca, dramaturge (Collection Les grands dramaturges), L´Arche, Paris, 1955)の影響が強く見られることが明らかになった。これについては論文として発表した(「ロルカの死と日本における作品解釈」『REHK京都イスパニア学研究会記念論文集』、2016年、pp. 161-174)。
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Research Products
(4 results)