2013 Fiscal Year Research-status Report
幼児の言語理解に及ぼすワーキングメモリ保持負荷の影響に関する実験的検討
Project/Area Number |
24720198
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Research Institution | Kumamoto Health Science University |
Principal Investigator |
水本 豪 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (20531635)
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Keywords | 言語理解 / 選好性 / 認知能力 |
Research Abstract |
本研究では、特定の言語表現の理解とワーキングメモリの関連性について、単に関連性の有無を指摘する段階から一歩踏み込み、ワーキングメモリへの保持負荷を軽減/増大させることにより理解に変化が認められるか(文理解課題における正答率の上昇/低下として現れるのか)否かを明らかにすることを通じ、幼児の言語理解に及ぼすワーキングメモリの影響の一端を解明することを目的としている。この目的を達成するために、平成25年度は、申請者がこれまでに調査した言語表現をもとにワーキングメモリによる保持に対する負荷を質的・量的にコントロールした刺激を用いた実験的調査を本格的に行なう予定であったが、国内研究者との意見交換を通して、使用課題・調査内容の一部再検討が必要になったため、予定した時期の調査が困難となった。そこで、小規模の予備的調査の実施に止め、平成26年度に本格的調査を先延ばしにした。ただし、もともと平成26年度は追加調査等の可能性を考慮し実験的調査を行なう予定で進めていたため、大きな影響はないと考える。なお、平成25年度に得られた知見の中から、分裂文・関係節文・単一項文の理解について、格助詞の情報に基づいて文を理解しなかった場合の選好性の有無を検討した結果を論文として公にしている。当該論文では、観察された選好性について、節構造に関する方略と格配列に関するバイアスによって生じた可能性や、これらの方略・バイアスの背後に潜む認知能力の影響について検討する必要性を論じることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は、申請者がこれまでに調査した言語表現をもとにワーキングメモリによる保持に対する負荷を質的・量的にコントロールした刺激を用いた実験的調査を本格的に行なう予定であったが、国内研究者との意見交換を通して、使用課題・調査内容の一部再検討が必要になったため、予定した時期の調査が困難となった。そこで、小規模の予備的調査の実施に止め、平成26年度に本格的調査を先延ばしにした。ただし、もともと平成26年度は追加調査等の可能性を考慮し実験的調査を行なう予定で進めていたため、大きな影響はないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度中に計画の微修正を行なうことができたため、平成26年度の本格的な調査が可能になっている。平成26年度は必要な調査を速やかに行なうとともに、国内外の研究者との意見交換を通して、将来的な応用研究の可能性などについて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1. 調達方法の工夫などにより、当初計画より経費の節約ができたため。 2. 一部資料の出版が遅れたことによる購入年次の先送りのため。 追加の書籍・資料購入に充てる予定。
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Research Products
(1 results)