2012 Fiscal Year Research-status Report
日本語文法研究史における『春樹顕秘抄』と『春樹顕秘増抄』の位置づけについて
Project/Area Number |
24720208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
劉 志偉 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 助教 (00605173)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 日本 |
Research Abstract |
本年度はまず研究対象となる『春樹顕秘抄』と『春樹顕秘増抄』の複数の影印資料を入手し、また手がかりとなる同時代の資料の分析を進めている。 テニヲハ研究史を最新の研究成果を取り入れて再整理を行っている。日本語学史研究におけるテニヲハ研究の流れを明かにすることを試みている。中世を中心に行われた和歌におけるテニヲハの使い方を論じる歌学書、即ちテニヲハ論書は、その内容の文法研究における価値が現代の視点から見て低いことから、さほど焦点を当てられて来なかった。福井(一九六四イ、ロ)、根来(一九八〇)、テニハ研究会(二〇〇三)、根上(二〇〇四)といった専著のほか、飯田、井上、佐田、佐藤、永山らによる一連の個別研究が挙げられるが、決して主要な研究テーマとはされていない。テニヲハの研究史に関しては、山田孝雄の『国語学史要』(一九三五)『国語学史』(一九四三)をはじめとしていくつかの記述があるが、この数十年の間に世に出された日本語史の概説書に、説かれている内容は、いずれも井上(一九六四)と根来(一九八〇)の域を出ていない。しかし、この間に全く進展が見られなかったわけではない。先学によって明らかにされてきた学恩に負いつつ、近年の研究成果をも取り入れて、漢文訓読に触発されたテニヲハ意識から日本語の特徴に即したテニヲハに関する言及、そして秘することに徹した和歌作法上のテニヲハ専論からその秘伝主義から脱しようとする過渡期のテニヲハ論へという流れを追ってテニヲハ論研究史を再整理することを試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料の翻刻など少しは時間がかかっておりますが、研究自体はおおむね順調に展開していると思われます。
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Strategy for Future Research Activity |
『春樹顕秘抄』と『春樹顕秘増抄』の記述内容を中心に、両者の著者による増補の態度の相違点を明らかにしてゆく予定です。主として「姉小路式」に挙げられている項目に関する記述を中心に考察を行います。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・次年度以降に国内の学会で発表する予定 ・購入予定をしていた参考資料の一部が24年度ではなく次年度以降に延期した
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Research Products
(2 results)