2014 Fiscal Year Research-status Report
自習用教材作成・高大連携・相同性研究に生かす、慣用句を鍵に行う前置詞棲み分け研究
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24720215
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
花崎 美紀 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (80345727)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 前置詞 / 多義 / 高大連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は以下の2点に答えようとする研究の一部である。すなわち、(1)英語のすべての前置詞の意味は何か?(2)日英語の様々な現象は、英語は<有界的・結果志向・スル的>、日本語は<無界的・経過志向・ナル的>な傾向に沿っている、つまり、相同的であるとされているが、前置詞の意味も、この傾向に沿っているか? 本研究の特徴・意義・および重要性としては、以下の3点が挙げられる。(1)前置詞の意味研究は、by dayやon saleなどの慣用表現を手がかりに、近似義語がどのように「棲み分け」ているかを見ることが肝要であるとし、(2)研究結果を、高大連携で得られる誤用例のエラーアナリシスを元に、自学自習用のモジュール教材として作成し、世の中に研究結果を還元し、(3)相同性研究へと広げることで、日英語の根本的な差異を研究する一助となり得る さらに、本研究の研究方法および還元方法は、以下の2段階の研究方法と、3段階の研究結果の還元を行う。 第1段階としてSemasiologicalな研究を行い、高大連携から得られる間違いやすい前置詞を参考にしながら、1語の現代英語における用法を整理しそこから仮の意味ネットワークを作成しそれを古い英語における用法を整理して補強する。第2段階として、Onomasiologicalな研究を行い、関連する語を、孤立用法・慣用表現を元に検証し、対象前置詞の棲み分けを明らかにする。そして、(1) 高大連携の中でその研究結果をもとに、大学生・高校生へ正しい前置詞の使い方を指導する。(2) モジュール教材(テーマ別の小教材)としてサーバーに蓄積し実力にばらつきのある大学生が自学自習できるような教材として提供する。(3) 研究結果を報告書として結実させる その流れの中で、平成26年度は、前置詞at, および高校生が不得意とする英文法項目である助動詞have, will, shouldの研究を行い、2件の学会発表、1本の著作、そして4本の研究論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、近接生をあらわす前置詞すべてを扱い、自習用学習教材を作ることが目標であるが、これまでは、as, by, on, in, to, till, until, for, atを前置詞としては扱い、高校生が躓きそうな文法項目について、少しずつ研究を進めているという点において、おおむね順調に進展していると言えよう。
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Strategy for Future Research Activity |
2段階にわけて研究を行い、3方法で研究結果を社会に還元する。 <研究計画・方法> 第1段階として、Semasiologicalな研究を行い、高大連携から得られる間違いやすい前置詞を参考にしながら、1語の現代英語における用法を整理しそこから仮の意味ネットワークを作成し、それを古い英語における用法を整理して補強する。第2段階として、Onomasiologicalな研究を行い、関連する語を、孤立用法・慣用表現を元に検証し、対象前置詞の棲み分けを明らかにする。 <還元方法> 研究結果の社会への還元は3方法による。すなわち、(1) 高大連携の中でその研究結果をもとに、大学生・高校生へ正しい前置詞の使い方を指導する。(2) モジュール教材(テーマ別の小教材)としてサーバーに蓄積し、実力にばらつきのある大学生が自学自習できるような教材として提供する。(3) 研究結果を報告書として結実させる。 <平成27年度に行うこと> 具体的に平成27年度は何を行う予定であるかというと、さらなる前置詞の研究を進め、高校生の苦手とする英文法箇所への理解を深め、最終年であるので自習用教材として研究成果をまとめたい。 扱う前置詞はinとwithinの予定である。また、in, withinと並行して、昨年度学習を進めた高校生の苦手英文項目である助動詞および否定疑問文についての考察を深め、それらの研究結果を海外の学会で発表する予定である。(すでに2学会で発表することが決定済み)
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Causes of Carryover |
2015年度中に開催される2つの国際学会で発表することになったため、 その参加費用として経費を次年度に繰り越した
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額とH27年度請求額をあわせて、7月末にイギリスの国際認知言語学会に出張し、8月初旬にベルギーの国際語用論学会に出張するために使用する予定である。
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Research Products
(7 results)