2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24720226
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
中川 聡 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 講師 (90566994)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 統語的な分析 |
Research Abstract |
研究計画書では平成24年度はコーパス調査を中心に行う予定であったが、統語的観点からの分析に要する時間が予定よりも必要との判断のもと文献調査を中心に行った。その結果、代表的な先行研究であるMassam (1999)の分析の問題点をまとめること、二重連結動詞構文の発達に影響を与えたのは擬似分裂文ではないということ、を明らかにすることができた。 さらに、二重連結動詞構文の特徴ともいえる2つ目のbe動詞の統語的ステータスについても一定の見解を示すことができた。先行研究ではtopic markerであるという主張と、focus makerである主張とに意見が分かれていたが、擬似分裂文との関係を否定することや多言語においてbe動詞がtopic markerとして発達した事例が観察されないということから2つ目のbe動詞はfocus makerという主張を支持するに至った。 また。二重連結動詞構文の派生においても、2つの方向性で説明を与える方向で研究を進めている段階である。1つ目の方向性は2つのbe動詞をreduplicative morphemeの派生と関連付けつ分析である。この分析では通常では移動のコピーは削除されるが移動の結果意味的な違いが生じる場合はコピーは削除されずに残る、つまり、2つの同じ音韻素性を持つ要素が英文中に現れるということになる。2つ目の方向性は2つ目のbe動詞はfocus makerとして文法化を通して発達したという分析である。どちらの分析がより妥当なのかを今後の課題としてさらに研究を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行研究のまとめや、新たな視点での分析など一定の成果は挙げられているが、その成果を研究発表や論文など残る形でまとめることができなかったから。
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Strategy for Future Research Activity |
二重連結動詞構文の派生について統語的分析をより具体的な形でまとめていく。年度内には1つの論文にまとめて投稿し、さらに来年度研究発表を行える形にまとめていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究課題に関連する図書の購入、研究課題に関する情報収集のための出張費に充てる予定である。
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