2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24720226
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
中川 聡 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 准教授 (90566994)
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Keywords | 焦点標識 / 文法化 / 擬似分裂文 |
Research Abstract |
近年の英語において観察され始めた二重連結動詞構文について統語的観点から分析を行った。この構文はis is のようにbe動詞が連続して現れるのが特徴である。先行研究ではこの構文は擬似分裂文から派生された構文と分析されていたが、本研究では2つ目のisがbe動詞から焦点標識へ文法化した結果派生されたと分析する先行研究を支持するに至った。さらに先行研究ではこの構文の統語的派生について詳細な分析はほとんど行われていなかったが、本研究ではGelderen (2008)の文法化の分析にしたがって、そのメカニズムを明らかにすることができた。Gelderen (2008)ではある語彙的要素が機能的要素へと文法化する際にはその要素が持つ意味素性が解釈不可能な形式素性、さらに解釈可能な形式素性に再分析される過程が伴うと分析されている。この分析にしたがって本研究では、2つ目のbe動詞の持つ意味素性としてのfocusが解釈不可能素な素性、さらには解釈可能な素性へと再分析され、2つ目のbe動詞は焦点標識として機能しているという分析を提示した。さらに、この素性の再分析に伴い、2つ目のbe動詞はVPの主要部を占める要素からFocusPの主要部を占める要素へと変化し、それに後続する節に付加していると分析した。 このように本研究はこれまで明らかにされていなかった二重連結動詞構文の統語的派生を解明するという目的を果たすことができた。この意味で本研究は一定の成果をあげることができたと考えられる。
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