2013 Fiscal Year Research-status Report
学習者とともに学ぶ持続可能性日本語教育教員養成プログラムの構築
Project/Area Number |
24720231
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
トンプソン 美恵子 (平野 美恵子) 東京海洋大学, その他部局等, 准教授 (20401606)
|
Keywords | 持続可能性日本語教育 / 教師教育 / 協働学習 / 同行者としての教師 / グローバル化社会 / 対話 |
Research Abstract |
グローバル化社会を生きるための力を育む言語教育としての持続可能性日本語教育の展開として、平成25年度は、第一に、海外で日本語教育に従事する教員に対する働きかけを行なった。具体的には、台湾、韓国で講演及び教師研修(ワークショップ)を行ない、持続可能性日本語教育に関する情報発信と実践・研究の普及に努めた。その際、今後の教材開発に反映させるため、グローバル世界における各国のローカルな事情を調査し、様々な文脈での日本語教育に汎用するための方法を追究した。 第二に、持続可能性日本語教育を担う‘同行者としての教師’がどのようにグローバル世界を捉え、どのように人材を育成しようとしているかを分析した(第34回異文化間教育学会、韓國日語教育学会 第24回国際学術大会で発表)。分析の結果、‘同行者としての教師’がグローバル世界の現状に向き合う姿勢が醸成され、その姿勢が教師としての資質につながることが示唆された。 第三に、学部生対象のリベラルアーツ科目を対象としたデータ分析を行ない、学生と教員の相互作用のありようを調査した(京都大学高等教育研究推進センター 第20回大学教育研究フォーラムで発表)。分析の結果、教室内で教員がグローバル世界の具体的な見え方を一人の人間として情報発信することが、学生が教室外でグローバル世界を能動的に捉えようとする姿勢を促し、さらに学生のグローバル世界に対する認識に対するふり返りコメントに対し、教員がグローバル世界の状況をさらに具体的に考察し、それを学生と共有するという一連のやりとりが見られた。このことから、グローバル世界を生きる一対一の人間としてグローバル世界を捉え、そのことを教員と学生が共有することが、互いの認識の醸成に相互に働きかけることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り海外の日本語教育における持続可能性日本語教育の応用可能性を追究することができた。また、平成24年度実施分の実践についても順調にデータ分析ができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に行なった海外における日本語教育への持続可能性日本語教育の応用可能性を教材開発という形で展開していく。その際、平成24年度に国内で行なった実践との比較を行ない、国や対象を考慮に入れる。教材開発に並び、平成25年度実施分の実践で得られたデータを分析し、教材開発同様国内との比較を通じて研究として成果を発信していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画では、海外の日本語教育における波及先としてルーマニアを候補としていたが、候補先の人員配置変更により、ルーマニアでの実現が難しく、台湾に変更となった。その分旅費の支出が少なくなった。 データ分析のため、録音した音声データの文字起こしを専門業者に委託する。また、教材開発後、パイロット版として今後使用するために、種類別に原本を数冊製本する。さらに、最終年度のため、成果発表を国内外で行なっていく。
|