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2012 Fiscal Year Research-status Report

持続可能性音声教育を担う教師研修プログラムの構築

Research Project

Project/Area Number 24720232
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

房 賢嬉  お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 研究院研究員 (60625002)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords日本語教育 / 音声教育 / 教師研修 / 協働 / 自律的教授能力 / ピア・モニタリング活動 / 教師の学び / 対話
Research Abstract

本研究は、日本語音声教育において教師が多様化する学習者に対応し、持続的に音声教育を実践できる自律的な教授能力の養成を目指す教師研修プログラムの構築を目的とする。日本語教師の中には音声教育に対して困難や不安を抱えている者が多いと言われている(河野2009)。その原因を明らかにするために、24年度から25年度にかけて日本語教師を取り巻く人(学習者・教師仲間)、モノ(音声教材・音声知識)、コト(シラバス・実践)の調査を通して日本語教師が直面している現状を把握する。24年度は上記の中で以下の二つの調査を行った。
一つ目の調査は、日本語音声教材の内容分析である。近年、日本語音声に特化した発音練習教材が出版されているが、これらの教材の内容分析はまだなされていない。そこで、早稲田大学の日本語教師4名と月1回の勉強会を行い、音声教材の内容を協働で検討した。①人(教材を使う対象)、②モノ(取り上げている音声項目)、③コト(タスクや練習問題のタイプ)を主な分析観点として分析した。勉強会では教師各自が分析した内容を発表し、教育現場をふり返りながら議論を重ねた。このような議論を通じて、現場で用いる際の困難点や学習者の学びを支援するためにどのような工夫が必要か提案できるという点で意義がある。
二つ目の調査は、教師が実践の中でどのような問題を抱えているかに関する調査である。2012年1月29日から31日の間に、韓国高麗大学および国際交流基金ソウル日本文化センターにて日本語母語話者教師と非母語話者教師を対象にした特別研修会を行った。研修会では、教師が教育現場で普段行っている実践内容や実践上の困難点について議論し、持続可能性音声教育の方法を体験した。この研修会には大学教育のみならず中等教育に携わっている教師も参加しており、普段接することのできない教師同士が実践内容を共有できたという点で意義がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は、【1】教師の現状と課題の整理(量的調査および質的調査、日本語音声教材分析)→【2】シラバス作成・教師研修の実施→【3】持続可能性音声教育を担う教師研修プログラムの構築、という3つのステップに沿って進める。
24年度の計画は一部変更があったものの、おおむね計画通りに進んでいると言える。6月から 現在に至るまで、研究協力者と協働で日本語教材の内容分析や情報収集をしており、研究発表に向けての話し合いを進めている。
それと同時に、量的調査の質問紙項目を作成するためのミーティングを月1回行い、先行研究や質問項目を検討してきた。議論を重ねた結果、より多角的な調査のためには日本国内のみならず海外(韓国)の日本語教師の現状をも視野に入れる必要があると判断し、当初の計画を一部変更した。主な変更点は、【1】の現状調査を踏まえ、教師研修プログラムを組み、25年度に実践する予定であった教師研修会を量的調査より先に韓国で実施した点である。韓国における研修会では、教師が日本語音声教育に取り組む際に関わる人(学習者、教師仲間)やモノ(教材、音声知識)、コト(シラバス、実践)をメインテーマに、教師自身の問題を取り上げた。プログラムに参加した教師自身を取り巻く現状はどうなっているか、問題点と問題の原因について能動的に認識することを通して、それらの関係の中で解決案を模索するグループ活動を行った。研修会で収集したこれらのデータを分析し、今後質問紙項目の作成およびシラバス作成の際に参考にする。

Strategy for Future Research Activity

今後は、質問紙調査(量的調査)およびインタビュー調査(質的調査)を通して教師の現状を多面的に分析する。お茶の水女子大学の日本語教育コースには、世代や国籍、経験が多様な日本語教師が在籍しており、協力が得られる。また、代表者および研究協力者の所属機関や出講先の人的ネットワークを通して調査することが可能である。具体的には、以下のスケジュールで研究を進める。
■4月~7月:韓国における教師研修会で収集したデータの分析
■7月~9月:インタビュー調査(15人程度)、量的調査のための質問紙作成
■9月~10月:韓国と日本における質問紙調査
■11月~3月:質問紙データの統計処理、インタビューの録音データの文字化

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

24年度に実施する予定であった質問紙調査およびインタビュー調査は次年度実施に変更したため、調査にかかる研究費を次年度使用に変更した。研究費の具体的な使用計画は以下の通りである。
■韓国で実施した教師研修会で収集したデータの文字起こし(韓国語母語話者に発注)
■インタビュー調査(被験者への謝金)、質問紙調査(被験者への謝金)
■インタビュー調査の文字起こし(謝金)
■研究発表(研究代表者・研究協力者の旅費)
■図書購入

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 2012

All Presentation (3 results) (of which Invited: 2 results)

  • [Presentation] 持続可能性日本語教育から音声教育を考える2013

    • Author(s)
      岡崎眸、房賢嬉、トンプソン(平野)美恵子
    • Organizer
      国際交流基金ソウル日本文化センター特別研修会
    • Place of Presentation
      国際交流基金ソウル日本文化センター(韓国)
    • Year and Date
      20130131-20130131
    • Invited
  • [Presentation] 持続可能性日本語教育2013

    • Author(s)
      岡崎眸、房賢嬉、トンプソン(平野)美恵子
    • Organizer
      特別公演会
    • Place of Presentation
      高麗大学(韓国)
    • Year and Date
      20130129-20130130
    • Invited
  • [Presentation] グローバル化社会をいかに生きるかを考えることばの教室の試み2012

    • Author(s)
      トンプソン(平野)美恵子、 鈴木寿子、小田珠生、佐藤真紀、張瑜珊、房賢嬉、半原芳子、三輪充子、岡崎眸
    • Organizer
      日本語教育学会
    • Place of Presentation
      北海学園大学
    • Year and Date
      20121013-20121014

URL: 

Published: 2014-07-24  

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