2012 Fiscal Year Research-status Report
バイリンガル教育の要因―外国人児童の家庭における取りくみを中心に
Project/Area Number |
24720234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
呉 禧受 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 研究員 (70594406)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイリンガル教育 / 外国人児童 / 母語 / 多言語環境 |
Research Abstract |
本研究は、バイリンガル教育研究の結果が一般の生活場面に浸透していないことが多々あることや、外国人児童の家庭における言語教育に関する研究成果が少ない現実を踏まえ、日本における韓国人児童とその親を対象に「バイリンガル教育に対するビリーフ(Beliefs)」を調査し実際の家庭における言語教育とどのような関係があるかを検証するものである。 研究開始初年度である2012年には、縦断研究として行っている、日本語と韓国語の同時バイリンガルである小学校2年生の韓国人男児Aと3歳の韓国人女児Bの言語使用の観察を続けた。日常生活の中で、AとBがどのように日本語を韓国語を駆使し言語生活を営んでいるかを観察し、順次文字化を行った。 7月にはウェールズ語と英語のバイリンガル教育を行っているイギリスウェールズ地方のバンガー大学(Bangor university)で開かれた国際シンポジウムに参加し、「Maintaining Bilingual Education」という題目で、日本で生まれ育っているバイリンガル児の2言語能力と言語使用の実態について発表した。 9月には韓国日本語教育学会主催の国際学術発表大会(於:韓国全南大学校)にて、「同時バイリンガル児童の言語選択の特徴―多言語環境に置かれている子どもの言語能力をどう評価するか」という題目で、多言語環境に置かれている児童の言語能力を表面的に現れる言語運用能力だけではなく、子供の内面に形成されていく認知・情意面にも目を配る必要があることを訴えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2012年の1年間、バイリンガル児童の言語運用を観察し、文字化を行った。 また、一部の研究結果をまとめ、2回の学会で発表を行った。 さらに、研究2年目の2013年に行う予定の外国人児童を持つ親のインタビューのため、調査協力者を確保しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は去年までの観察で得られた韓国人バイリンガル男児と女児の文字化データを分析する。 なお、韓国学校に子供を行かせている韓国人親のバイリンガル教育に関するビリーフを調査するため、インタビュー調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査協力者に対する謝礼と学会参加のため、研究費を支出する予定である。
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Research Products
(3 results)