2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本語教師のためのオンラインICT研修構築に向けた協働的アクション・リサーチ
Project/Area Number |
24720236
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 智久 北海道大学, 留学生センター, 准教授 (90549148)
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Keywords | ICTリテラシー / 研修デザイン |
Research Abstract |
本研究は、研究代表者がメンター、研究協力者がメンティーとなり、日本語授業におけるICT活用をテーマとし、協働的アクション・リサーチをオンライン上で行うことを計画した。その最大の理由は、日本語教師の自律的なICTリテラシー能力の向上図るためである。これにより、(1)ICTスキルを自分の文脈で捉え、自信の授業に活用できる教員を育てること、(2)効果的なオンラインICTスキル研修プログラムの構築を試みること、(3)研修プログラムの経過および経過から得られた結果をデータベース化すること、の3つを目指した。 2年間の研究期間中に実施されたオンライン上でのやり取りやワークショップを通して得られた最大の成果は、日本語授業に必要なICTスキルをオンライン上だけで習得することは、あまり効率が良くないということがわかった。その理由として、(1)ICTの技術的な進歩が早過ぎて、技術習得を追うと、授業の質がおろそかになるということ、(2)オンライン上でのやり取りでは、他の教師の授業の雰囲気が把握できずに、アドバイスが抽象的なものになってしまうということの2点が挙げられる。そのため、オンラインを活用して日本語教師のICTリテラシーを向上させるためには、オンライン上にいつでも参照できるリファレンスを用意し、そのリファレンスをICT機器類の操作マニュアルと位置づけ、その上で、教師間の授業での活用を議論し合うという形が望ましいと言える。さらに、オフラインでのミーティングやスクーリングも行うことで、オンラインでのやり取りが活発になるという結果も得られた。 本研究が持つ最大の意義は、日本語教師が必要としているICTリテラシーの習得にはどのような形態が最適かについて実験がなされたことである。現在でも、ICTリテラシーの習得は個人の教師に委ねられたままである。今後、より体系だったICTリテラシー研修の出現が望まれる。
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