2013 Fiscal Year Annual Research Report
中国語話者のための日本語教育文法を構築するための基礎研究
Project/Area Number |
24720239
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
中俣 尚己 京都教育大学, 教育学部, 講師 (00598518)
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Keywords | 習得研究 / 中国語話者 / 日本語教育文法 / 「も」 / 数量表現 / 非対格性 |
Research Abstract |
中国語話者が日本語を学ぶ際に必要な文法を効率よく記述するために、中国語話者の文法習得に関する調査を行った。その際に、従来の日本語学での分類を利用するのではなく、あくまでも中国語との対照を意識した上で日本語の分類を行う。その新しい分類で、難易度に差異が存在することを示すことで、従来の日本語学の記述に従っているだけでは、必ずしも中国語話者のために最適な教材は作れないことを実証した。 また、習得研究は自己ペース読文課題や眼球運動など、反応時間をコンピュータで計測するなど手法の進歩が目覚しいが、そのような手法による研究の多くは日本国内(JSL環境)で学ぶ学習者を対象にしており、実際にはそれよりもはるかに規模の大きい日本国外(JFL環境)で学ぶ学習者を対象にしたものは少なかった。そこで本研究ではノートパソコンを使い、中国でも反応時間を測定したり、ディクトグロスと呼ばれる新しい調査手法を試すことを目的とした。 具体的には3つのテーマを扱った。1つ目は「累加」を表す「も」の習得で、「太郎も来た。」のような単独の「も」の使用に問題のない学習者であっても、「太郎も花子も来た。」のように複数の「も」を使用することは難しいことを明らかにした。 テーマの2つ目は数量表現の習得で、中国語話者は母語話者よりも「たくさんの」などの量複視を多用すること、また、語順については「2人学生が来た」のようなQNV語順からNQV語順への発達段階が見られることを明らかにした。 テーマの3つ目は漢語サ変動詞の自他の習得で、非対格自動詞は非能格自動詞よりも難しいこと、また特に「漸進性」のある自体ほど難しいことを明らかにした。これらは、従来の日本語学が注目していた点とは全く異なるところにある困難点である。
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Research Products
(4 results)