2014 Fiscal Year Annual Research Report
日本語教育におけるブレンディッドラーニングの有効性の検証
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24720243
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
古川 智樹 関西大学, 国際教育センター, 留学生別科特任常勤講師 (60614617)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブレンディッドラーニング / 反転授業 / eラーニング / eポートフォリオ / マルチモーダル / 微視的分析 / 日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本語教育におけるブレンディッドラーニング(Blended Learning: 以下BLとする)の有効性を検証することである。本年度は、BLの一形態である、新たな学習内容をビデオ講義で宿題としてオンラインで視聴させ、授業内で演習を中心に行う反転授業(eラーニングを含む)の利用実態調査、効果検証、そして、BL環境下におけるマルチモーダルな視点を取り入れた微視的分析を行った。 その結果、まず学習者の利用実態調査では、動画視聴率は時間の経過とともに下がるものの、平均で70%を維持しており、到達度テストとの相関では0.49あり、積極的に利用している学習者は到達度テストでも高得点を得ていることがわかった。また、前年度までの対面授業とeラーニングによるBLの取り組みとそれらに予習動画を加えた本年度のBLの取り組みの比較として、到達度テストによる比較を行った結果、予習動画を加えた反転授業の取り組みのほうが有意に高かった。これは、予習動画視聴及びそれに伴う授業外学習時間の増加、そして、授業内における導入時間の削減によって生まれる練習時間の増加によって、日本語の理解度、運用力が向上したためであると考えられる。そして、アンケート、インタビュー調査では、予習動画を含むBLに対して肯定的評価が88%にも上り、授業外学習時間の増加に負担を感じているものの、学習に効果的であるとして、積極的に利活用していることがわかった。 次に、マルチモーダルな視点を取り入れた微視的分析では、PBL(Project-Based Learning)クラスにおける学習者間のやり取りを分析した結果、学習者間のインターアクションにパソコンが介在することによって、パソコン画面の共同注視、指差し等が起こり、パソコン画面の文字やインターネットの情報を引用しながら、効果的な意味交渉が行われていることがわかった。
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