2014 Fiscal Year Annual Research Report
動機減退学習者に配慮したシャドーイング指導法の開発
Project/Area Number |
24720247
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
濱田 陽 秋田大学, 学内共同利用施設等, 講師 (00588832)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シャドーイング / 動機 / 自信 / 効果的指導法 / リスニング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の目的は、初年度の情報収集とパイロット・2年目の実践研究を総括し、理論と実践の整合性のとれた、「動機減退学習者に配慮したシャドーイング指導ガイドライン」の作成であった。 平成26年度は、シャドーイングとリピートの違いについての補足的実験報告を行った。一見似た二つの活動は、効果が異なり、前者はリスニング寄り、後者はリーディング寄りという事が確認できた。また、教員免許状更新講習においても、シャドーイングを含んだ音読指導の講習を実施した。 3年間を総括すると、まず、学習開始時の動機が低い学習者の方が、高い学習者よりリスニング力向上という観点からは不利であることが確認できた一方、シャドーイングはリスニング力が低い学習者の方が高い学習者より効果がでやすいことも確認できた。 次に、心理面・効果面をさらに深く研究し、学習教材においては、内容を学習した上でシャドーイングを使った方が効果的であることも確認できた。動機が低い学習者の中には一般的に、英語力が低い学習者が多い傾向があるが、そういう学習者のさらなる動機減退要因を防ぐと言う意味で、既知内容を使ってシャドーイングするべきであるという示唆は重要であろう。加えて、シャドーイングをする際は、ICレコーダー等を用いて、自分の声を録音して確認することで、より効果的になることも分かった。 最後に、指導法ガイドラインのポイントとして、毎回の授業内で「うまくなっている」という自己効力感を感じさせる工夫が必要である。インタビューを通して、事後テストで得点が上がった学習者の中には、最初の動機や事前テストの点数が低くとも、徐々に動機があがった学習者がいることも分かった。また、シャドーイングの意義や、練習手順に関する理由も学習者に繰り返し説明し、納得させた上で指導することは、基本的な事であるが、認知負荷の高いシャドーイング指導の際には重要である。
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