2013 Fiscal Year Research-status Report
言語ポートフォリオを活用した自律英語学習における評価モデルの構築
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24720248
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石橋 嘉一 山形大学, エンロールメント・マネジメント部, 准教授 (40604525)
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Keywords | 大学英語教育 / 自律学習 / ポートフォリオ / 授業外学習 / インタラクション |
Research Abstract |
本研究は大学英語教育において、言語ポートフォリオを活用した自律英語学習の評価モデルの創出を目的としている。平成25年度では、研究計画に従って以下の研究内容を実施した。 1.研究成果の論文化・発表:平成24年度の研究成果をまとめ、論文化した。日本教育工学会論文誌に採用された。平成26年度に刊行予定である。 2.自律英語学習の評価モデル創生: 評価モデルの創生を試行するため、研究の方向性を当初の計画からさらに焦点化を図った。(1)当初はReading, Listening, Speaking, Writing, Interacting, 5領域全ての学習記録を収集していたが、自律英語学習と学習の計画性、継続性、言語熟達度の3要因の関連が色濃く表れたInteracting領域の学習に絞って,評価モデルを試作する。(2)自己評価のみならず客観的な英語学習の記録を収集・評価するため、Skype(Web会話システム)の使用状況を把握できるシステムを、企業とともに開発し、試験運用を始めた(3)自律英語学習を遂行可能な学習者層と、中断する学習者層に分類し、その特徴を分析している。上記(1)(2)から得られた知見と、(3)の分析結果を考察し、評価モデルと学習支援方法の検討を行っている。 3.その他:平成26年度への期間延長が承認されたため、上記(3)の評価モデルの精緻化を行い、汎用性の高いモデルへの検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由: 研究計画にそって試行錯誤を続けた結果、平成25年度には、自律英語学習という幅広い学習領域を、Interacting領域に焦点化してデータの記録・分析をすることができたため、学習遂行、継続、中断に関連する要因が明らかになり始めている。 これらの知見は、研究申請書の研究の学術的背景で記した先行研究では明らかにされていない課題に対して、本研究が貢献できる研究成果になり得る。 また研究成果の一部が、日本教育工学会の論文誌に採用されたことからも、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.今後の推進方策:平成26年度では、以下について研究を推進する予定である。 学習記録システムを活用した客観的な自律英語学習の評価: 学生がInteracting領域の自律英語学習に取り組んだ際の学習記録を、学習目標の志向性、学習の遂行・頻度、評価(リフレクション)、および各学習者の言語熟達度と紐つけて分析を行う。 2.評価モデルに関する評価:平成26年度では、平成25年度の実験から得られた研究成果を論文化する。また、その際には、本研究で創生した評価モデルについて、教育工学、コミュニケーション学、応用言語学(第二言語習得)、異文化コミュニケーション領域のアドバイザーと意見交換を行う。意見交換では、モデルの有効性と限界について議論し、先行研究からの新規性と課題を明らかにし、最終年度の報告書としてまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
期間延長申請理由により、計画されていた成果発表及び調査が平成26年度に延長された。また、調査と研究打合せを同時に行い、旅費を節約した。 平成26年度に、研究成果発表を国内(日本教育工学会第30回全国大会:岐阜大学)で行うため、旅費に充当する予定である。また、自律英語学習の学習記録システムの試行結果を精査して、システムの改修を行うため、その費用にあてる予定である。
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Research Products
(6 results)