2012 Fiscal Year Research-status Report
コンピューターを用いた対面インタラクションにおける英語学習者の会話行動
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24720250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
クルーグ ネイサン ポール 埼玉大学, 英語教育開発センター, 助教 (40549995)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | CMC / 会話分析 / 学習者の会話 / 第二言語学習 / 会話行動 |
Research Abstract |
本研究は、第二言語学習者によるビデオチャットの会話を分析し、コンピュータを用いたインタラクション(CMC)におけるターンテイキング、発話連鎖、修復といった会話の特徴を明らかし、またそのようなコンテクスでどのように第二言語学習が行われるかを記述することを目指すものである。 その目標達成のために、研究期間中に二つの調査を予定しているが、そのうち、平成24年度には、主に調査Iのためのデータ収集・整備を行った。また、分析の一部も開始した。 今回収集したデータは、日本人英語学習者とその言語学習パートナーによる英語で行われた会話である。パートナーは、日本語を学習する英語母語話者または英語熟達者で、全15組の英語を収録した。各ペアがオンラインのビデオチャットで20分ほど会話を行っているところを、コンピュータ画面の動きを記録するソフト、ICレコーダ、ビデオカメラを使って録画・録音した。また、収録会話はすべて、会話分析のために文字化資料を作成し、精緻化した。 データ収集後、ターンテイキングなどの会話プラクティス、スキャフォルディングやその状況で利用可能なリソース(文字チャットやインターネットでアクセス可能なリソースなど)の使用など、第二言語学習者のパフォーマンス向上につながる行動に注目して初期の分析を行った。分析の結果、CMC会話の開始部を会話参加者双方がどう共構築していくかが明らかになった。その研究成果については、隔月で他の研究者とともに行っている研究会(データセッション)で発表し、議論を続けるとともに、学会でも発表した。また、平成25年度に行われる国内外の学会にも発表応募し、採択された。今後も引き続きデータの精緻化と分析を続けて行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、その目的を果たすために二つの調査を計画した。その当初の計画どおり、平成24年度に、調査Iのデータ収集を行い、初期の分析も開始することができた。また、その結果の一部をすでに学会で発表することができた。平成25年度には、調査Iの残りのデータ収集と分析をすべて終えることができる見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の推進のために、研究協力者との連携を図りたいと思う。具体的には、会話データ収集のための機材の操作や会話参加者の募集など、その一部は研究協力者に依頼する。また、会話の文字化資料については、文字化業者を適宜利用し、その後の整備を研究協力者に任せることによって、研究代表者はデータの精緻化、分析、考察に集中できるようにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、引き続き、調査Iを行う。まず、会話データの収集を継続するが、データの規模が大きくなるため、データ保存用のストレージを購入する必要がある。文字化業者に依頼する分の支払も生じる。次に、データ分析については、これまでは主に録音データの分析を行なってきたが、平成25年度からは録画データを扱うことが多くなる。そのため、録音・録画データを同時に扱えるコンピュータを研究代表者用に購入する必要がある。研究協力者に会話データの文字化やデータ整備を依頼するため、研究協力者用にもノートパソコンを購入する予定である。また、平成25年度も情報収集と成果発表のために研究会や国内外の学会に参加する予定であるため、旅費も必要である。
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