2012 Fiscal Year Research-status Report
日本人海外子女の英語運用能力習得プロセスにおける基礎研究
Project/Area Number |
24720253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩城 奈巳 名古屋大学, 留学生センター, 准教授 (50436987)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 第二言語習得 / 海外子女 / コーパス |
Research Abstract |
24年度の研究実績を時系列的にまとめる。まず、5月中に本研究で使用するアンケート案の作成及び回答させるエッセーのテーマを設定し、それについて複数の専門家と協議した。6月には、訪問予定先のセントラルケンタッキー日本語補習校(米国ケンタッキー州レキシントン市)で予備試行を、Miyuki Lake教頭の協力を元に、実施した。なお、Lake氏には、アンケートに対する倫理的配慮が十分かどうかの確認も行ってもらった。その後、予備試行の回答者から、フィードバックを経て、問題となる箇所を修正した上で、アンケートの最終版を改訂した。9月には、まず、本研究のテーマに精通しているオハイオ大学コミュニケーション学部の(米国オハイオ州アセンス市)Mirit Shoham助教授と面談し、本研究についての助言を得、更に、オハイオ大学において資料収集をおこなった。また、セントラルケンタッキー日本語補習校を訪問し、アンケートを実施した。更に、親子を対象とした面接を実施し、家庭内での日本語使用度、日本文化への接触頻度を中心にたずねた。その他、セントラルケンタッキー補習校の紹介によって、作成したアンケートは、エバンズビル補習校(米国インディアナ州エバンズビル市)、シンシナティ補習校(米国オハイオ州シンシナティ市)にも郵送した。結果、84名の海外子女データが集まった。分析をしたところ、主な発見は以下の通りであった。まず、米国滞在歴が長ければ長いほど、エッセイにて口語的表現を使用する傾向が強いことが判明した。また、たとえ米国に暮らしていても、日本との接触力がインターネット等を介して多く得られる為、母国の文化の接触量が多いことも判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、日本語補習校にて、アンケートの実施ができた。なお、引き続きデータ収集を各地の日本語補習校にて協力を求めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、84名の海外子女のデータ収集に成功している。作成予定のコーパス分析の信頼性向上のため、また、統計的に意義のある分析を実現するため、更に多くのデータを集める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
9月に米国ミシガン州デトロイト市における、デトロイト日本語補習校にて更にアンケート調査を実施し、面接調査も行い、イースタンミシガン大学において資料収集をおこなう。なお、そこで得たデータ入力及び分析に研究補助者をあてる。また、中間報告として、研究発表を国内学会1件見込んでいる。最終的には、得たデータをウェブサイトにて公開する。
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