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2013 Fiscal Year Research-status Report

英語教師志望学生の不安・懸念の質的事例研究:グラウンデッド・セオリー・アプローチ

Research Project

Project/Area Number 24720265
Research InstitutionKumamoto University

Principal Investigator

長嶺 寿宣  熊本大学, 教育学部, 准教授 (20390544)

Keywords不安 / 懸念 / 言語教師認知 / 英語教員養成課程 / 教師成長 / 英語教育 / 日本
Research Abstract

本研究の研究実施計画に基づいて,被験者である大学生2名に対する深層インタビューを継続実施し,収集した質的データに見出すことができた特性(property)や次元(dimension)の質と数の検証,ラベルやカテゴリーの数及び妥当性の検証を行いながら,被験者の感情体験の中核を成すと考えられるパラダイム(状況,行為・相互行為,帰結)を特定する分析作業を行った。また,本研究における理論構築の柱となりそうないくつかのパラダイムを中心にカテゴリー関連図を作成し,本研究の目的に照らして,達成度の確認を行った。更に,収集したデータの一部ではあるが,理論的サンプリングを施しデータの比較検討(理論的比較)を行った。ただし,本年度のデータ比較からは,理論的サンプリングを通して特性と次元の数を増加させることはできたが,公表に値する分析結果は得られなかった。これまでに収集したデータの分析結果をみてみると,飽和状態(これ以上新しいカテゴリーが見いだせない状態)に達しているとは考えにくい。したがって,今後もフォロー・アップのインタビューを継続して行うなど,データ・ベースの充実を図る必要がある。前述の通り,理論的サンプリングによるデータの比較検討は公表に値する成果を生まなかったが,主要データを対象としたデータ分析結果の中には公表に値するものが複数存在した。その一部を,国際学会(The 10th Asian EFL Journal International Conference)で発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究は,全3段階(Phases 1, 2, 3)に分けることができる。前年度の第1段階が当初の計画以上に進展したため,当該年度もまた比較的スムーズに諸作業を進めることができた。第2段階にあたる本年度は,被験者2名に対する深層インタビューを継続的に実施するとともに収集したデータを対象にGTAによる分析を施すことを計画していた。研究成果に関しては,本研究の最終段階である第3段階(次年度)に,すべてのデータ分析が終了した時点で行うことを想定していたが,前年度から当該年度にかけて,既に,学術図書の一部(1章分),計2本の研究論文,及び計3件の研究発表として公表することができた。とはいえ,本研究の目的を鑑みると,未だ明らかになったとはいえない部分が多いため,おおむね計画通りに進展している,と判断する。

Strategy for Future Research Activity

本研究は,帰納的アプローチに基づいた質的事例研究である。定量分析・量的研究にみられるように,既存の仮説や理論を検証し,統計的な分析に基づいて一般化(generalization)の可能性を探る研究ではない。質的事例研究とは,特定の研究領域,研究対象,及び研究材料から,特殊化(particularization)を試み,創出した質的データ分析結果から示唆的事項を導き出す研究である。本研究ではGTAを採用しており,最終年度にあたる次年度には,研究対象である被験者の不安・懸念に関わる現象を,データに基づいて説明しうる「理論」の構築が求められる。このような研究デザインの性質上,研究者本人がデータ収集・分析のツールであり,研究者の知識・経験といった要素が,研究過程における「客観性」に影響を与えることは否めない。したがって,最終年度である次年度も,継続して本研究のテーマに関連する国内外の文献調査や研究会議への出席を通して,英語教師成長・学習に関わる研究の動向や言語教師認知研究の研究事例,更には質的研究手法に関する国内外での議論の動向を理解することに努め,得られた知見を本研究の遂行に生かしていく。また,学術図書・研究論文集等の文献のうち新たに出版・公開されるものについては適宜必要なものを入手する。更に,本研究の成果を社会(特に教育実習や教員養成の分野)へ還元していくために,国内外のワークショップ,学会・会議,講演会等で成果の公表を行う。したがって,次年度の研究費の使途は,国内外の出張費,研究論文・図書の執筆・校閲費と出版費にあてられる。その他,研究計画書に記載している通り,文房具等の消耗品,通信費,資料複写代,印刷費等にも用いられる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

国内で開催された研究会へ出張する際に,宿泊期間を一日短縮したことがあった。本務である勤務大学での講義を優先したことが理由だが,それによって出張経費(宿泊費)として見積もっていた額が残った形である。
次年度の国内における研究会への出張経費(宿泊費)として使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014 Other

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] Nonnative EFL Teachers' English Language Proficiency to Teach Classes in English: A Qualitative Case Study of Teacher Anxiety

    • Author(s)
      Toshinobu Nagamine
    • Organizer
      The 10th Asian EFL Journal International Conference
    • Place of Presentation
      De La Salle University, Manila, Philippines
  • [Book] 「第8章 ポスト教授法の時代と英語教師の認知および情緒」 『言語教師認知の動向』 笹島茂・西野孝子・江原美明・長嶺寿宣(編著) pp. 112-1282014

    • Author(s)
      長嶺寿宣
    • Total Pages
      224
    • Publisher
      開拓社

URL: 

Published: 2015-05-28  

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