2013 Fiscal Year Research-status Report
推論生成ユニットの言語間比較と心的表象が語彙記憶に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
24720270
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
中川 知佳子 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (70580869)
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Keywords | 読解 / 推論 / 自動化 |
Research Abstract |
本研究は「推論生成ユニットの言語間比較と心的表象が語彙記憶に及ぼす影響の解明」を最終目標においている。前年度には、母語(日本語)において情報処理が自動化し、推論の生成が行われていることから、再認課題の成績が第二言語(英語)に比べて高くなっていないという結果が示された。このことから、本年度は情報処理の自動化について文献研究を中心に進めた。特に、英文読解における情報処理の正確さとは何か、また、流暢さとは何かについて文献をまとめた。 Grabe(2012)によると流暢な読みには流暢な読みには10のプロセスが関与するとまとめられている。中でもinteractive processでは、流暢な読解のためには,素早い単語処理と同時に文構造の理解やメインアイデアの把握といった複数のレベルの処理を並行して行う必要性を示している。つまり流暢な文章理解の前提として下位レベル処理の自動化が必要だという考えである。下位レベル処理には単語認知・統語解析・意味命題の符号化が含まれ(Grabe, 2009)、これらの処理が自動化することによって限られた認知資源を背景知識を活性化させたり、推論を行うなどの上位レベル処理に割り当てたりすることができる。逆に、下位レベル処理が自動化されていない場合には、個々の単語処理に認知資源の多くを割り当てなければならず、推論生成が困難になる。この文献研究結果については、雑誌に掲載されている。 本年度は、前年度の研究結果について、これらの文献研究の結果から再度考察し、次の実験用マテリアルや、実験協力者について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画で仮定していた結論とは異なる結果が得られたことから、その原因を検証する手順を踏んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
申請の際に述べたとおり、本研究では使用するマテリアルが重要である。研究1においてしようしたマテリアルにおいて計画どおりの結果が得られなかった。このことが、マテリアルの特性によるものなのかを検証したのちに、研究2・3を3年目に実施する。さらに4年目に研究3結果の検討と総合考察を行う計画とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
産前産後休暇と育児休暇の取得のため。 復職年度より研究を再開し、計画書記載の実験等を行う。
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Research Products
(1 results)