2015 Fiscal Year Research-status Report
推論生成ユニットの言語間比較と心的表象が語彙記憶に及ぼす影響の解明
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24720270
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
中川 知佳子 東京経済大学, 経営学部, 准教授 (70580869)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 単語 / 記憶 / テスト形式 / ストラテジー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、推論生成ユニットの言語間比較と心的表象が語彙記憶に及ぼす影響の解明を最終的な目標としている。 本年度は、文章理解(学習目標とされる英単語が含まれる例文)と目標後の理解と記憶について、調査を行った。主な目的として(1)例文を英単語学習時に与えることの効果を検証すること、(2)学習者の英単語学習ストラテジーがテスト形式によって変化するかを検証することであった。 協力者は日本人EFL学習者(大学生)であった。協力者には、英単語と例文の載った学習リストを与え、それを覚えてくるよう指示した。半数のグループには、英単語の意味を日本語で答えるtranslation形式のテスト(例:transplant = 移植)を実施、もう半数のグループには例文内の空所に適する英単語を書き入れる空所補充形式のテスト(例:The doctors did a heart 〔 〕 to save the patient's life. 答え transplant)を実施することを事前に伝えていた。学習とテスト期間は8週間(合計8回)であった。この8週間の前後で前田他(2002)の質問紙を実施し、単語学習ストラテジーの使用に変化が生じるかを検証した。 協力者は、クラスター分析によって、3つのグループに分類された。その結果から同じストラテジーを使用する傾向にあると判断された学習者が、文脈内空所補充形式のテストの影響を受けて、どのように学習ストラテジーを変化させたかに注目をした。 結果として、学習ストラテジーに変化が生じたグループと、変化が生じなかったグループが存在していた。英単語を例文の中で学習するように変化したことを期待していたが、他の語彙とのかかわりの中で記憶するようになった学習者が増えるとは言えなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学習者の語彙記憶と文脈との関連について検証を続けているが、文脈の質と協力者の英語熟達度との関連から、一式のマテリアルで全ての協力者に同じ影響を及ぼすものを作成するのが困難を極めている。文構造的に簡潔で難しい語彙が含まれていない英文を準備するが、マテリアル間で英単語や表現の重複が生じることがあり、多くのマテリアルを作成するのが困難である。
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Strategy for Future Research Activity |
最も重要であり、難しいマテリアルの質について、これまでは質問紙や辞書の例文(定義文)などを用いて作成していたが、LSAなどの手法を用い、均質性を高めたい。
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Causes of Carryover |
産前産後休暇および育児休暇を取得し、そのために終了予定年度を2年間延長している。結果として、復職後は次年度使用額が0より大きい状態が続いている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画で最終年度として計画していた通り、最終的な調査と研究成果の発表・報告に使用する。
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Research Products
(1 results)