2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research about colonial exhibitions in Modern Japan
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24720303
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
伊藤 真実子 学習院大学, 付置研究所, 教授 (40626579)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 植民地博覧会 / 国際博覧会 / 日本近代史 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成28年度は、戦争をテーマとした博覧会における植民地展示を中心に研究を行い、以下の成果をあげた。2016年11月8日にケンブリッジ大学アジア・中東学部「日本帝国の崩壊と戦後東アジアにおける正当性獲得に向けた闘争」プロジェクトで、「近代日本と博覧会」と題し、明治初年から戦後まで、国内で開催された博覧会および、海外で参加した博覧会での植民地に関する展示の変遷について報告した。とりわけ、1920、30年代において時局柄増えていく戦争展示と、関連地域(植民地)の展示について、1935年国防と産業博覧会や、1938年国民精神総動員国防大博覧会、同年支那事変聖戦博覧会を対象に報告した。1938年支那事変聖戦博覧会において、会場となった西宮球場脇に靖国神社が建てられたことと、当時の戦死者の慰霊に対する社会と世論との関係についても、詳細に述べた。この内容については、論文を作成し、学術雑誌に投稿予定である。 申請時の主たる研究の目的は、植民地で開かれた博覧会の全体像を得るための研究基盤情報の整理であった。基盤情報整理の後、時代状況によって変わっていく各博覧会での植民地の展示の様相を個別に調査し、報告ないし論文としてまとめた。 研究の成果は、以下の通りである。「1931年パリ国際植民地博覧会」(福井憲彦監修、伊藤真実子・村松弘一編『世界の蒐集―アジアをめぐる博物館、博覧会、海外旅行―』(山川出版社、2014年2月)、229-254頁。)を刊行したほか、「植民地と博覧会―1930年代の日本の事例から」を、 2014年3月15日に帝国史研究会例会にて報告し、観光先として示された植民地展示について言及した「博覧会と観光-1930年代の博覧会を事例として」を、企画・主催した国際シンポジウム「近代日本と観光旅行―絵葉書と博覧会―」(2015年5月18日於学習院大学)にて報告した。
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