2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24720316
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 健哉 東北大学, 文学研究科, 研究員 (60419984)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大都 / 北京 / モンゴル時代 / 通恵河 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である当該年度は本研究のまとめをめざした。 まず、これまで蒐集した史料(『元史』等の編纂史料や個人文集)・石刻資料の分類・整理を行った。 8月には北京及び周辺部の調査を行った。具体的には大都への物流において重要な役割を果たした通恵河等の調査を行った。加えて、北京(大都)に止まらず、副都である上都(内モンゴル自治区)と中都(河北省)の調査を行い、大都との比較を行った。なお、若干の調査不足を感じ、12月に改めて北京を再訪し、北京西南部の調査を行った。 学会報告として、「金・元時代の複都について」(満族史研究会第29回大会,東北大学片,2014年05月31日)、「元代科挙的“冒籍”」(第十一届科挙制与科挙学国際学術研討会,中華人民共和国,広州啓明大厦,2014年11月14日)と題する報告を行った。成果として、平勢隆郎・塩沢裕仁〔編〕『関野貞大陸調査と現在Ⅱ』(東京大学東洋文化研究所,2014年)に、「常盤大定と関野貞――『支那仏教史蹟』の出版をめぐって――」と題する論考を公表した。この論文を執筆する過程で近代の北京に関する資料の調査を行うことができ、そこからフィードバックして元代の史料を探し当てることができた。 研究期間を通じて、本研究の課題として設定した13-14世紀に江南から大都にどのような形で物資が運ばれたのかを明らかにすることができた。特に元代の史料のみならず明代の史料から通恵河に関わる資料を蒐集し、その運用の実態を動態的に考察することができた。
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