2014 Fiscal Year Annual Research Report
南洋群島の戦争遺跡の保存と活用:特に水中文化遺産に重点をおいて
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24720366
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
石村 智 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 企画調整部, 主任研究員 (60435906)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 戦争遺跡 / パラオ / 南洋群島 / パブリック・アーケオロジー / ミクロネシア / 水中文化遺産 / 水中考古学 / 考古学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本が国際連盟委任統治領として1922年から1945年にかけて統治した南洋群島(現在のミクロネシア地域にあたるパラオ、マリアナ諸島、ミクロネシア連邦およびマーシャル諸島を含む範囲)に残る、日本統治時代の遺構および第二次世界大戦に関連する戦争遺跡を調査し、その実態を解明することである。特に多くの戦争遺跡が存在するパラオ共和国を中心に調査をおこない、とりわけ同国内に多数存在する沈没艦船などの水中文化遺産の把握に重点をおく。 平成26年度は最終年度なので、パラオ共和国において旧日本軍の沈没艦船・航空機などの水中文化遺産の追加的な調査を実施した。これにより、前年度まで続けてきたパラオにおける戦争遺跡、とりわけ水中文化遺産の総合的な把握を完了することができた。 こうした調査結果を発表する手段として、林田憲三氏(アジア水中考古学研究所)・菊地誠一氏(昭和女子大学)・岩淵聡文氏(東京海洋大学)と共同で単行本『水中文化遺産論集(仮)』を勉誠出版より2015年中に出版する予定である。本書は水中文化遺産の研究者12名により執筆される研究書であり、まだまだこの方面の研究書が少ない我が国において、学界の動向を発信する有効なテキストとなることが期待される。 また本研究課題の成果自体も、報告書としてまとめるため、目下準備中である。本報告書は出版社より単行本として公刊するか、電子書籍として公刊する予定である。
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Research Products
(1 results)