2013 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会を支える健康基盤としての都市ウォーカビリティの研究
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24720373
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山田 育穂 中央大学, 理工学部, 教授 (00594756)
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Keywords | ウォーカビリティ / 歩行環境 / 超高齢社会 |
Research Abstract |
本研究の目的は、都市環境の歩きやすさ「ウォーカビリティ(walkability)」の超高齢社会における健康インフラストラクチャとしての可能性を調査・検証することであり、ウォーカビリティが住民の日常生活における身体活動とその結果としての健康状態に及ぼす影響を、空間情報科学的手法を用いたデータ解析やアンケート調査を通じて明らかにすることを目指している。本研究の実施計画は、以下の5段階からなる。 1.既存研究におけるウォーカビリティ概念の定義、指標、及び解析結果の体系的調査と整理; 2.高齢者を対象とした居住都市環境の「歩きやすさ」に関する聞き取り調査; 3.GISを用いた客観的ウォーカビリティ指標の算出; 4.居住都市環境のウォーカビリティ評価に関するアンケート調査、並びに、歩行活動の実測調査; 5.居住都市環境のウォーカビリティと歩行活動の関連性についての統計的解析。 今年度は主として第1・第3段階を中心に研究を進めた。ウォーカビリティに関する研究は、日本国内ではまだ限られているが欧米では急速に浸透・拡大してきており、第1段階としては、新たな成果について継続的に情報収集を行っている。総務省が5年ごとに実施する住宅・土地統計調査は、全国を対象としたサンプル調査で、住宅や世帯に関する事項に加え、交通機関や都市施設へのアクセシビリティなど住環境指標も含まれている。そこで、第3段階としては、平成20年住宅・土地統計調査の市区町村レベルの表彰項目を精査し、客観的ウォーカビリティ指標の構築を行っている。関東地方の結果を、2013年秋の日本地理学会秋季学術大会において報告し、現在は構築の範囲を全国に拡大しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画では、今年度は「研究実績の概要」に示した第4段階であるアンケート調査を行うこととなっていたが、研究代表者が所属を異動したことなどにより円滑な調整が難しいと判断し、第3段階のウォーカビリティ指標の算出を前倒しで行った。全体的に進捗に遅れが出ており、平成26年度に可能な限り研究を進めるが、次年度への延長申請も視野に入れて計画を精査し直す必要があると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はまず、「研究実績の概要」に示した5段階のうち2段階目にあたる聞き取り調査を早急に実施する。その結果を反映したアンケート調査の準備を、次年度内の実施を目指して進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた聞き取り調査およびアンケート調査を次年度に延期し、客観的ウォーカビリティ指標の算出を行ったため、調査に係る謝礼・人件費等は発生せず、代わりにデータベース構築に係る人件費および記憶メディア・スキャナ等の物件費を使用した。 主として、聞き取り調査の費用(参加者の謝礼を含む)、およびアンケート調査の費用(調査会社の費用、参加者の謝礼を含む)への支出を予定している。
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