2013 Fiscal Year Research-status Report
超高齢化社会における地域医療拠点としての小売業の役割に関する地理学的研究
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24720382
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
駒木 伸比古 愛知大学, 地域政策学部, 准教授 (60601044)
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Keywords | 超高齢社会 / ドラッグストア / 調剤薬局 / 地理情報システム / 医薬品 / 空間分析 |
Research Abstract |
2013年度は,流通業界誌(『国際商業』,『激流』,『販売革新』,『週刊ダイヤモンド』,『Drug magazine』など)においてとりあげられたドラッグストアおよび調剤薬局に関する記事の収集を中心として行い,近年におけるドラッグストアの動向について把握した。具体的には,各ドラッグ・調剤チェーンがこの数年(特に薬事法改正以降)どのような経営戦略で店舗展開を行ってきたかを,「高齢者へのサービス」を視点として整理した。また,小売業だけでなく,介護サービスや配達サービス,安否確認サービスなど,関連産業・サービスへの展開についても同様に整理した。また,学術雑誌(地理学,経営学,商学など)に掲載されたドラッグストア・調剤薬局に関する文献,さらには高齢者を対象とした保健・健康に関する地理学的研究に関する文献について,国内・国外を対象として収集した。 また,地理情報システムをもちいたドラッグストア立地に関係する空間分析(愛知県を対象として行った高齢者の居住分布とドラッグストアの立地分布との空間的相関,需給バランスなど)について,国際学会にて発表を行った。韓国・中国をはじめとしたアジアの研究者(地理学者)から,それぞれの国で同様に医薬品(大衆薬)への注目度は高まっており(特に韓国は高齢化が急激に進むことが予想されている),「ドラッグストア」という業態,そして関連産業・サービスに関心が持たれていることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地理情報システムをもちいたドラッグストア立地に関係する空間分析(愛知県を対象として行った高齢者の居住分布とドラッグストアの立地分布との空間的相関,需給バランスなど)について,加筆・修正などして国際学会にて発表を行った。しかし,海外の事例については文献収集の遅れから触れることができず,進捗が遅れている状況である。 また,店舗立地条件をもとにして行う予定であった立地シミュレーションについては,(1)データの整理(GISデータへの変換,調整など)に時間が思いのほかかかってしまっている,(2)シミュレーション方法論について他業態での適用研究をとりまとめているがまだ不十分である,の2点により,こちらも進捗が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度に引き続いて,欧米を中心としたドラッグストア先進地域における研究動向について,文献収集を行い,日本との比較をしながら整理する。また,立地シミュレーションについては,データの整理およびシミュレーション方法論を確定させ,地域を選定して(愛知県を予定している)実施する。また,可能であれば企業へのヒヤリングおよび住民(高齢者)に対するドラッグストアを中心とした医薬品販売店舗に関する利用実態や健康度との関連調査(アンケート的はヒヤリング)なども行う。 これらの結果については,随時,学術大会(主に地理学関係の学会)などで発表を行うとともに,とりまとめて論文として執筆し,投稿する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
店舗データ入力の補助として利用する予定であった「人件費,謝金」について,データの収集および調整ができなかったために使用できなかったこと,そしてアンケート印刷・配布のために利用する予定であった「その他」項目について,前述のデータ入力の遅れもあって分析が進まなかったために使用できなかったこと,の2点が主な理由である。 設備備品については,国内および海外の学術文献,学術雑誌,業界雑誌などの購入に使用する。消耗品については,文具に使用する。国内旅費については,現地調査および学会発表参加費などに使用する。海外旅費については,7月6日~10日に開催される「The 9th KOREA-CHINA-JAPAN JOINT CONFERENCE ON GEOGRAPHY(第9回韓中日地理学会議)」への参加費として使用する。人件費,謝金については,研究補助(データ入力など)に利用する。その他については,アンケートの実施費用や文献コピーなどに使用する。
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