2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトと霊長類二種の遊びの種間・種内比較による「環境-認知-遊び」三者関係の解明
Project/Area Number |
24720399
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
島田 将喜 帝京科学大学, 生命環境学部, 講師 (10447922)
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Keywords | 遊び / 社会的ネットワーク分析 / 人類進化論 / 認知科学 / バランス理論 / 子ども社会 / トングウェ / チンパンジー |
Research Abstract |
本研究プロジェクト「ヒトと霊長類二種の遊びの種間・種内比較による「環境-認知-遊び」三者関係の解明」は、西部タンザニア粗放的焼畑農耕民トングウェの遊び行動の全体と生活環境を、現地でのフィールドワークを通じ、霊長類二種に対して行ってきたのと同一の方法論によって実証的に評価すること、そして「遊び学」に関心をもつ研究者のネットワークを形成することを目標として実施された。 プロジェクトは、実施計画通りに進められた。遊びの行動学的データ収集のためのフィールドワークに関しては、2013年12月から2014年1月にかけての約3週間、野生チンパンジーおよびトングウェに対して実施し、同時にトングウェに対する認知心理学実験も実施した。また2013年10月、2014年2月にそれぞれ数日間、野生ニホンザルに対して実施した。 2年間のプロジェクトの結果、たとえば以下の研究成果をあげ、関連学会や論文等で随時公表してきた: 霊長類三種(ヒト・チンパンジー・ニホンザル)に対するフィールドワークを進め、それぞれの種の遊びに関する実証的研究を行った。野生チンパンジーが社会的遊びを通じて形成する遊び集団の微視的・巨視的構造の時間変動を、バランス理論を用いて説明した。チンパンジーやサルの「子ども社会」の特徴を、社会的ネットワーク分析により定量化し、遊びはコドモ期には親和的関係形成に寄与する機能をもつという仮説を提唱した。チンパンジーのワカモノメス間の同性愛行動の発見は「社会的ふり遊び」の例である可能性を指摘した。トングウェの人びとの子どもの遊び道具が、居住地域の物質的環境に影響を受けることなどを発見した。また、国内外での研究発表や、学会での打ち合わせを通じて、遊び学に関心をもつ研究者との交流を深め、異分野の研究者とともに研究グループを作り、平成26年度から開始される科研費研究(基盤研究B)のプロジェクトとして結実した。
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[Journal Article] Ranging behavior of the Mahale chimpanzees: a 16 year study.2013
Author(s)
Nakamura M, Corp N, Fujimoto M, Fujita S, Hanamura S, Hayaki H, Hosaka K, Huffman MA, Inaba A, Inoue E, Itoh N, Kutsukake N, Kiyono-Fuse M, Kooriyama T, Marchant LF, Matsumoto-Oda A, Matsusaka T, McGrew WC, Mitani JC, Nishie H, Norikoshi K, Sakamaki T, Shimada M, Turner LA, Wakibara JV, Zamma K.
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Journal Title
Primates
Volume: 54
Pages: 171-182
DOI
Peer Reviewed
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