2014 Fiscal Year Research-status Report
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24730015
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中林 暁生 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (70312535)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 人権総論 / 公務員の人権 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も,昨年度と同様,主に,規制と給付の二分論を人権総論に組み込むことを目指した研究と,アメリカ合衆国における公的雇用関係の判例についての研究を行った。 昨年度は,パブリック・フォーラム論との関係から,規制と給付の二分論についての研究を行ったが,その研究を引き継ぐ形で,今年度は,「違憲な条件の法理」についての研究を行った。 違憲な条件の法理は,規制と給付の二分論の克服を目指した試みの一つである。研究代表者は,すでに,違憲な条件の法理についての研究を行っており,相応の研究成果も得られている。しかしながら,昨年度行ったパブリック・フォーラム論についての研究成果を引き継ぐ形で,改めて違憲な条件の法理の研究を行うことにより,規制と給付の二分論の理論構造がより明瞭になると考えるに至った。違憲な条件の法理そのものに関心を向けていたかつての研究とは異なり,本年度は,規制と給付の二分論と違憲な条件の法理との関係に留意しながら,研究を進めていった。具体的には,1926年のFrost判決と1932年のStephenson判決との関係に着目した研究を行い,規制と給付の二分論と違憲な条件法理との理論的な関係を考える上で有益な視角を確立することができた。この研究成果の一部は,「違憲な条件の法理の展開(二)」として,雑誌『法学』に掲載した。 本年度はさらに,アメリカのハッチ法に関する研究にも着手し,渡米して資料収集を行った。現在は,その研究成果を公表するための作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
違憲な条件の法理の研究を行ったことにより,規制と給付の二分論の理論構造を明らかにすることができるようになった。また,ハッチ法の研究など,公的雇用関係についての研究も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も,アメリカの判例研究を中心に行っていくつもりである。具体的には,違憲な条件の法理の判例研究を通じた規制と給付の二分論に関する研究と,公的雇用関係に関する判例の研究とを行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初は,2回渡米して資料収集を行うことを予定していたが,日程の調整がつかず,1回しか渡米できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は,2回渡米できるよう,現在日程調整を行っている。
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