2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730017
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
田尾 亮介 立教大学, 法学部, 助教 (50581013)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 協議手続 / 行政手続 / 公共契約 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、学位論文の公刊に向けた準備作業と並行して、以下の二つの研究発表を行った。 一つ目は、「協議に関する手続」である(研究発表〔雑誌論文〕1件目が該当する)。近年、行政法関係において協議という手法が多くの場面で用いられ、それが法律や条例に根拠を置く正式の手続になりつつあることが指摘されている。当該研究は、協議手続の諸相を明らかにしたうえで、その法的規律のあり方の考察を試みたものである。考察対象としたものの中には、従来行政法学が「行政指導」の議論枠組みの中で論じてきたものもあれば、そうでないものも含まれる。今後、「協議」という新しい枠組みで対象または現象を認識することが必要であると考えており、当該研究はその萌芽的研究に位置づけられる。 二つ目は、ドイツの公共調達に関する文献紹介とその検討である(研究発表〔雑誌論文〕2件目が該当する)。当該研究においては、民営化や公私協働の法的手段の一つである公共委託発注法(Vergaberecht)と、都市計画における公私両部門の協働(stadtebauliche Kooperation)との関係に焦点を当てた研究書を紹介した。 研究期間全体を振り返ると、当初は、「土地利用規制」及び「アメリカ」における協議・協定手法に関心があり、それに関連した小論を発表してきたが、現在では、「都市法」及び「ドイツ」に研究の関心が移行しつつある。また、日本法における「契約」と「行政行為」という二つの概念の区別の相対化についても理論的観点から関心を寄せており、それらを統合した形での研究成果が公表される予定である(「合意による行政の研究」(仮題))。
|