2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730030
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
北村 貴 同志社大学, 政策学部, 助教 (90609108)
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Keywords | 憲法政策 / 憲法制度 / 財政 / オーストリア |
Research Abstract |
2013年度は、「2013年1月1日以降の財政規律に関する研究」及び「研究のまとめ」を行った。 2013年1月1日発効の財政規律に関しては、現地での資料(文献、統計データ)収集及びヒアリングの結果より、制度としては、適切に機能していることが判明した。しかし、実際の財政収支に反映されるには、まだ時間がかかることが想定される。 また、昨年度の研究実績報告書において、「研究計画策定時に想定していなかった新たな要素」として、「欧州安定メカニズム」と「ドイツ型の財政規律 (Schuldenbremse) 」に関しても、併せて研究を遂行する旨を記載した。第一に、欧州安定メカニズムに関しては、欧州安定メカニズム条約批准に伴いオーストリア憲法における財政に関する規律が改正された。この憲法改正の内容に関して研究を遂行し、「国民議会による財政統制の強化」と「欧州統合の推進」のパラドキシカルな関係が生じていることを明らかにした。第二に、Schuldenbremse に関しては、憲法改正のための議論が行われていたが、2013年に国民議会の任期が終了に伴う総選挙が実施され立法期が終了した。新たな立法期が開始された直後は大幅な憲法改正が行われないのがオーストリアの憲法政治の習慣であるため、2013年度にはSchuldenbremseの導入は実現されなかった。しかし、従前の立法期における資料を現地で入手し、分析を行った結果、現在の立法期においてSchuldenbremseが導入される可能性は高いことが判明した。
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