2013 Fiscal Year Annual Research Report
課徴金制度の現代的課題とこれを克服する理論枠組みに関する総合的研究
Project/Area Number |
24730049
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
伊永 大輔 広島修道大学, その他の研究科, 准教授 (10610537)
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Keywords | 課徴金 / 独占禁止法 / 競争法 / 制裁 |
Research Abstract |
2013年度には、学術論文4本(近刊含む)、学会等報告6本、書籍執筆1本(近刊)の研究成果があった。このうち、本研究の成果として代表的なものに「EU競争法における制裁金算定の理論と実務」(法学研究87巻8号掲載予定)がある。これは、2013年6月に開催された慶應法学会での研究報告をもとにしたものであり、2012年度末に行ったEU競争法における実地調査研究の内容をまとめたものでもある。その他、我が国における課徴金制度の課題や規範を理論的に指摘する研究成果として「不公正な取引方法における課徴金算定の構造と課題」(2013年11月関西経済法研究会)、「課徴金算定における主導的役割の適用事例―東電・関電発注送電工事談合事件」(ジュリスト1467号)がある。 2012年度及び2013年度の研究機関全体を通じて実施した研究成果としては、学術論文9本(近刊含む)、学会等報告8本、書籍執筆2本(近刊を含む)の研究成果があった。これらの研究成果のうち事例分析に係るものでは、我が国独占禁止法における課徴金制度の現代的課題を指摘するとともに、法解釈によって十分な抑止力を確保するかたちで対応できるのは限られた事例だけであることなどが指摘されている。また、我が国と同様の問題を抱えるEU競争当局における制裁金算定の実務と理論を研究することにより、制裁金算定の内容が事例を通して明らかにされている現状が報告されると同時に、課徴金算定実務への理論的示唆と立法上の課題が明らかにされた点に大きな成果が見られるものと考えられる。
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