2012 Fiscal Year Research-status Report
犯罪の重大性の認識とその規定因に関する犯罪学的研究
Project/Area Number |
24730057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岡邊 健 山口大学, 人文学部, 講師 (40356209)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 犯罪社会学 |
Research Abstract |
犯罪の重大性の認識に関する犯罪学的研究は、Sellin and Wolfgang(1964)以降今日まで盛んに行われているが、日本では、裁判員制度の導入で一般市民の犯罪に対する認識があらためて問われるようになった今日においても、研究蓄積に乏しい。そこで本研究では、犯罪の重大性に関する認識とその規定因について解明するとともに、犯罪の重大性に関する知見を、自己申告非行尺度に関する研究代表者自身の研究知見と接続し、犯罪の重大性と犯罪の実行困難度との関係について理論的な検討を行うことを目的とする。 初年度にあたる2012年度は、犯罪の重大性の認識に関する犯罪学・社会学・心理学等の関連諸領域の先行研究の包括的な収集・把握に努め、本研究の遂行にあたっての指針を得ることができた。同時に、鶴見(1974, 1975)等を参考にしつつ、Sellin and Wolfgang(1964)と彼らのその後の研究において使用された調査票の日本語への翻訳に着手した。 これらの研究は、本研究課題と同時並行的に進められている少年矯正施設(少年院)における調査票調査に基づく研究においても有効に活用され、その成果は、関連学会での報告や学術論文にまとめられた。 次年度は、一般市民を対象とする調査票調査を実施する。なるべく質の高いデータを得るために、サンプルサイズやサンプリング方法などを十分に検討したうえで調査を行なう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね、交付申請書記載の研究実施計画のとおりに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
犯罪の重大性に関する認識とその規定因を明らかにするための調査票調査に着手する。なお、調査の性格上、調査目的及び調査内容についての事前説明を十分に行なった上で、調査への同意を得られた対象者のみに調査を行なうものとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度は、図書館・学会大会等での資料収集を効率的に進めたこと等により、使用額を節約することができた。また、25年度に予定している調査の規模を当初の予定より拡大するために、図書費の執行を抑えた。発生した「次年度使用額」と、「25年度請求額」を合わせて、25年度は、調査委託費に約160万円、図書費に約20万円、旅費に約20万円を使用する計画である。
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