2014 Fiscal Year Annual Research Report
会社における当事者自治の基本原理―法を遵守していればどこまで自由が認められるか
Project/Area Number |
24730064
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三宅 新 北海道大学, 大学院法学研究科, 准教授 (30621461)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 会社法 / 持分会社 / 組合 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は、本研究課題に関して、協同組合に関する当事者自治について研究した。 この分野の法律は、株式会社に類似した構造を有しているところ、どの程度強行法規性が妥当するのだろうかという問題提起に基づいている。そこでは、日本の協同組合法がドイツの協同組合法の影響を強く受けているところ、ドイツにおいては、協同組合法が包括的に強行法規であると考えられている。しかし、当時の協同組合は、国家から干渉されずにその地位を確立して付随する政治的な不審を除去するという目的のために強行法規性が打ち出されていたのである。ところが、現在では協同組合の地位が確立したといえる以上、強行法規性の根拠が現在では妥当しなくなっている。そのため、強行法規性を前提としたドイツ協同組合法を継受してきたわが国の協同組合法も、今まで強行法規的に選択の余地がないとされてきた事柄について再考の余地があり、立法論を展開するに当たっては、当然のように株式会社のルールを準用するのではなく、いま一度その妥当性について逐一検討していく余地がある、というのが結論である。 もっとも、学位論文を加筆修正したものについてはまだ公表に至っていない。当該論文は、定款にも既存の約款法理を及ぼすことができるのではないかとの視点を基に、解釈論を展開する点であったため、債権法改正において定型約款に関する規定が入れられることにつき、その動向を追う必要があった。また、民法上の組合においても、従来は組合員ではない第三者に業務執行を委託できるか否かにつき明文上はっきりしなかった点が、債権法改正において明文化される見込みとなった。以上の点を、踏まえて今後近いうちに公表する予定である。
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Research Products
(4 results)