2014 Fiscal Year Annual Research Report
遺言における財産処分の自由の限界―遺言者の遺言の自由と受益者の財産処分の自由―
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24730071
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石綿 はる美 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (10547821)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 民事法 / 民法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、遺言において受遺者の処分権の行使を制限するような義務を課すことができるのか、という点について、フランス法を比較法研究の対象とし、日本法への示唆を得るということを目的とする。 最終年度である平成26年度は、過去2年度の研究内容を公表を中心的に行った。具体的には、フランス法・日本法の研究を「遺言における受遺者の処分権の制限(3)~(7・完)」という形で、法学協会雑誌に論文を公表した。同論文においては、フランス法については、継伝処分、用益権・虚有権の恵与を中心に、日本法については、負担付遺贈について研究を行った。遺言における受遺者の処分権の行使の制限については、物権法、相続法の両視点から研究が必要であるということ、また受遺者の終身にわたって処分権の行使を制限することができるのかという点について、改めて検討する必要があるであろうことを明らかにした。また、同論文の内容を、平成26年10月の日本私法学会において、個別報告という形でも公表した。さらに、遺言においてのみならず、財産譲渡の際に、財の譲受人に対し譲渡禁止義務を課すことができるのか、というより広い問題についての検討を行う必要があることから、この点について、まずは条文(民法典900条の1条の1)があり、学説・判例の充実しているフランス法の研究を行うこととし、その成果を、「財の譲渡禁止条項に関する一考察(一)」として公表し、まず、フランス法において、財の譲渡禁止に関して譲渡禁止期間が一時的で正当な目的があれば認められるとする民法典900条の1が制定された過程について明らかにした。
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Research Products
(7 results)