2014 Fiscal Year Research-status Report
夫婦の非対称性に配慮した離婚法のあり方に関する研究-DV事案を素材として
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24730077
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
立石 直子 岐阜大学, 地域科学部, 准教授 (00369612)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | DV事案における離婚 / 子どもと暴力 / ドメスティック・バイオレンス / 離婚法における弱者 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き、離婚法分野の研究を進めることができた。とくに、雑誌『法律時報』(日本評論社)に執筆した論文「DVを原因とする離婚の問題に関する一考察」(1076号)では、本研究課題のテーマにあわせた、離婚時の子どもの問題について重要な提言ができた。ここでの研究を素材に、8月には、日本司法福祉学会第15回大会(2014年8月3日)の分科会「DV被害者支援における子どもの視点と家族支援のあり方」において、「離婚手続においてDV被害者と子どもが抱える問題」をタイトルとする報告を行い、活発な質疑につながった。 また、トルコ共和国・イスタンブール市で開催されたイスタンブール法律家協会Adalet ve Hukuk Dernegiと神奈川大学との合同シンポジウムにおいて、 "Domestic Violence in Japan: An Overview of the Issues in the Family Law"をタイトルとする報告を行うことができた(2014年8月24日)。 そのほか、夫婦の氏に関する高等裁判所の判例について評釈した。これについては、「婚姻に際し『氏の変更を強制されない権利』と民法750条」(東京高等裁判所平成26年3月28日判決)として『新・判例解説Watch』(日本評論社)に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は、予定していた研究者や機関へのヒアリングが、スケジュールの関係で進められなかった。とくに、DV被害者の支援を行うNPOなどの機関へのヒアリングは、本研究において必須と考えているため、今年度に実施したい。
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Strategy for Future Research Activity |
・本研究課題との関連で進めている離婚時の子の処遇の在り方に関する編著本の出版を急ぎたい。 ・離婚時の非対称性がどのような形式で存在するのか、具体的な形で検討する。 ・研究計画に入れている離婚時の判例分析について、離婚時の夫婦の非対称性の観点からまとめたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度に予定していたNPO機関、研究者へのヒアリングについて、先方とのスケジュールとこちらの仕事のスケジュールが合わず、断念した。 そのため、このヒアリングに予定していた経費が未使用分として発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を進めるうえで、ヒアリングが必須の課題として残っている。現在、ヒアリング予定の機関、研究者と日程交渉中であり、今年度、未使用分額はこの経費に充てたいと考えている。
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