2012 Fiscal Year Research-status Report
夫婦財産制の基礎的研究~婚姻形態の多様化に着目した比較法研究
Project/Area Number |
24730084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
松久 和彦 香川大学, 法務研究科, 准教授 (90550426)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
平成24年度は、研究実施計画に基づき、総論的考察である夫婦の財産関係を規律する原理について、ドイツにおける議論状況を参考に検討を行った。これらの成果は、今後の研究を実施する上での基礎的な作業として位置づけられるものである。 特に、欧州連合(EU)における人的・物的交流が盛んになる中で、ヨーロッパ全体において夫婦の財産関係をどのように規律するのかといった議論が提起され、ドイツ国内法の議論も、ヨーロッパの議論状況に大きく影響を受けている。ヨーロッパ家族法委員会(CEFL)がこれらの議論の中心となり、これまでも他の家族法分野で、一定の成果を報告している。今年度の研究成果には、夫婦の財産関係に関するCEFLの議論を紹介し、大きな議論展開がみられる現状を紹介している。このような総論的考察は、これまで日本では十分ではなかったことから、意義のあるものとして評価することができる。 このようなヨーロッパ全体の議論状況の中で、ドイツの法制度に対する評価は変化しているのか、改正すべき点はどこにあるのか、議論されている。特に第67回ドイツ法曹大会は、夫婦の財産関係に関する議論を行っている。ここでも、ヨーロッパの議論展開が大きく影響している。今年度は、ドイツ法曹大会の議論状況を紹介している。 これらの研究成果は、現在改正の必要性が指摘されている日本の家族法に改正の示唆を与え、議論を進展させることのできるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究実施計画に基づいて、研究を実施した。研究実績をあげることができ、おおむね順調に遂行している。しかし、これらの成果は、総論的考察に限られ、各論的考察については、十分に検討することができていない。各論的考察は、次年度においても検討する点であり、次年度の研究遂行により力を入れていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究実施計画に基づき、計画的に研究を遂行する。文献・裁判例などの分析を積極的に行い、研究成果として公表する。また、学会報告などの機会を得ることができれば、積極的に報告する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画に記載した内容に従い、研究費を使用する。
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Research Products
(3 results)