2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730087
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
青木 仁美 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (80612291)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 成年後見制度 / 成年者の法的保護 / スイス法 / オーストリア法 / ドイツ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、4月に比較後見法制研究所において「オーストリアとスイスにおける後見人医療代諾権」という題目で発表を行った。その後、本発表をもとに論文「オーストリアおよびスイスにおける成年者のための医療代諾権」を5月に脱稿した。本稿は、田山輝明(編著)『成年後見人の医療代諾権』(三省堂、2015年5月末発刊予定)において公表される。この論文は、成年後見人の医療同意権の必要性を示すものである また、学位論文をもとにした単著の校正段階において、スイス後見法の新法改正の内容について言及した。そして、オーストリアのみならず、スイスの法改正からも、行為能力制限という観点から、日本の成年後見制度の改正が必要といえると結論づけた。同論文は、2015年3月に『オーストリアの成年後見法制』(成文堂)として出版された。 申請者は、これまでの研究から生じた疑問を解決するために、2015年2月にスイスへ海外出張を行った。この出張において、ベルン成年者保護官庁の責任者にインタビューを行った。ここでは、新法が施行されて約2年経過したことを踏まえて、新法を施行し、新制度である任意後見制度、親族の法定代理権を定めても成年後見制度が必要となる場合はいかなる場合か、行為能力を制限することなく財産管理権を成年後見人に与える類型はいかなる場合に用いられるのか、本人の行為能力をすべて制限する成年後見が必要となる場合はいかなる場合かといった、新制度の改正のきっかけとなった点について、聞き取り調査を実施した。また、ベルン大学において、日本の成年後見制度に関する問題点について発表を行った。
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