2014 Fiscal Year Research-status Report
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24730090
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
清水 円香 立命館大学, 法学部, 准教授 (50452800)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 会社法 / 親子会社 / 企業グループ / 取締役の責任 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 研究の内容 平成26年度は、グループを構成する会社の取締役の義務・責任、および、親会社の子会社に対する責任につき、ドイツ法とフランス法を比較する研究を行った。EU委員会は、2012年に、加盟国に対して、グループ全体の利益を追求するグループ経営の実務に配慮した会社法制の構築を要求することとしたが、このような考え方は、フランス法の判例法理に起源を有する。平成26年度の研究では、グループ経営の効率性よりも子会社少数株主の保護を重視して法制を組み立ててきたドイツ法が、EUレベルで要請されることとなったグループ全体の利益に配慮する考え方をどのように組み入れようとしているのか、学説はどのように反応しているのかを、調査・検討した。
2 研究の意義・重要性 会社法は、企業グループを構成する会社の取締役も、自己が取締役に就任する個別の会社の利益を追求する義務を負うとする考え方を基礎とする。しかし、グループ構成会社の取締役は、個別の会社の利益よりもグループ全体の利益を考慮して行動することが要請される場合があり、経済的には正当と評価されうるグループ利益追求行為が、法律上、直ちに個別会社に対する義務違反と評価されることは現実的でなく、グループ経営の有用性にも配慮した解釈・立法が必要となる。2010年~2012年の法制審議会会社法制部会においても、親会社の子会社に対する責任の制度の創設に際し、同様の問題が取り上げられ、議論がなされたが、親会社の子会社に対する責任に関する制度の創設は見送られた。このように、本研究は、わが国も関心を有する、グループ経営の特殊性に会社法がどのように配慮すべきかという問題に対する、EU法、フランス法、およびドイツ法の対応を明らかにしようとするものであり、その意義は大きいものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度は、フランス法において、親会社・事実上の取締役の責任の制度・法理が、親子会社関係を念頭に置いた他の制度(①親子会社間の取引に対する手続規制、②多数決濫用法理、③グループ全体の利益を優先させた取締役の責任を否定するRozenblum原則等)とともに果たす機能の分析・研究の一環として、グループ経営の実務に配慮した会社法制の構築の要求するEUのアクションプランに対するドイツ法の反応を調査・検討することを予定したが、同年度途中での産前産後休暇・育児休暇の取得のため、交付申請書に記載した計画どおりに研究を遂行することができず、研究の遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者の復職後に、平成26年度に予定していた上記の研究を再開し、当初計画していた研究を完了させる。
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Causes of Carryover |
平成26年度途中での補助事業中断のため、同年度の未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
補助事業中断のため、平成27年度に研究費の使用予定はない。研究期間を平成28年度に延長する予定。
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