2013 Fiscal Year Research-status Report
グローバル・デモクラシー理論の〈熟議的転回〉の研究
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24730121
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
高橋 良輔 佐賀大学, 文化教育学部, 准教授 (70457456)
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Keywords | 国際政治 / モラル・アポリア / グローバリゼーション / 国家主権 / 世界秩序 / 熟議民主主義 / トランスナショナル / 公共圏 |
Research Abstract |
1.編著の編集 高橋良輔・大庭弘継(編)『現代国際政治のモラル・アポリア』(ナカニシヤ出版 近刊)の企画・編集。 2.共編著の執筆 単著「序章 国際政治と倫理のゆらぎ」高橋・大庭(編)『現代国際政治のモラル・アポリア』3-28頁。 単著「7章 国家主権:自由と安全の動的均衡」高橋・大庭(編)『現代国際政治のモラル・アポリア』247-288頁。 単著「コラム7-1 国家主権をめぐる議論状況」高橋・大庭(編)『現代国際政治のモラル・アポリア』249頁。 単著「ODA政策をめぐるポリティクス:日本における規範媒介者としてのNGO(仮)」西谷真紀規子(編)『国際規範の複合的発展過程』ミネルヴァ書房、近刊。 単著「代表制民主主義の位相転換:トランスナショナル公共圏の再埋め込みに向けて(仮)」山﨑望・山本圭(編)『ポスト代表制の政治学』ナカニシヤ出版、近刊。 3.学会誌での執筆 単著「書評 山崎望『来たるべきデモクラシー:暴力と排除に抗して』」『社会思想史研究』第38号所収予定。(依頼寄稿) 4.学会発表・司会等 発表:高橋良輔「国家主権のアイロニ―:3つのアポリアへの遡行」(日本政治学会 公募企画A-7「現代国際政治のモラル・アポリア」)2013年9月13日、北海学園大学。 発表:高橋良輔「動的平衡としての世界秩序?:社会的エントロピーと政体構成の相克(山崎望『来たるべきデモクラシー』を読む)」(社会思想史学会 セッションM「デモクラシー論の現在」)2013年10月27日、関西学院大学。 司会:日本平和学会秋季研究集会 軍縮・安全保障分科会「平和を目指すうえでのモラル・アポリア:PKO、平和構築、核兵器廃絶」2013年11月9日、明治学院大学。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2013年度は、初年度に引き続き関連諸分野の資料収集に加え、日本政治学会、社会思想史学会、日本平和学会で、研究成果の発表や公募企画の実施を達成することができた。 また研究成果については、2013年度中に共編著1冊の企画編集を実施し、論文4件と2本のコラム・書評等を執筆して研究成果の発表を進めている。ただしこれらの共編著・学会誌については公刊が2014年度にずれ込んでおり、成果公表という点ではやや遅れていることは否めない。 さらに予定していたG8各国でのNGOのアドボカシー活動・ネットワーキングの調査については、G8の形骸化、ロシアによるクリミヤ併合によるG8の変質などのために実施ができなかったため、最終年度には現地調査方針の変更が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたり、過去2年間の研究成果を公刊し、広く社会に還元することを目指す。研究実績について報告しているようにすでに多数の論考の初校を出版社に提出済みであり、2014年度中の公刊が確定している。 また2014年度の新たな研究成果については、2014年5月開催予定の応用哲学会、10月開催予定の日本政治学会等で公表し、引き続き成果の公表に努めていく。 なお、ロシアによるクリミヤ併合によるG8の変質などのために実施が困難になっている現地調査についてはODA政策の策定プロセスへのNGOの関与状況の調査に切り替えることで、研究テーマの深化をはかることを予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
G8サミットの変容、特に2014年3月に生じたロシアによるクリミヤ併合に伴うG8サミットの実質上の休止により、海外現地での調査が困難となった。そのため2013年度は現地調査を見送り、同目的に使用予定だっ旅費相当額が次年度に繰り越しとなった。 国際政治上の突発的な事件のため上記のように現地調査が実施できなかったが、その代替措置として、2014年度はODAの政策決定過程へのNGOの関与について調査研究を行い、ステークホルダーデモクラシーの観点から、NGOのアドボカシー活動の調査ならびに理論化を行う。 そのため繰越金および次年度配分額については、調査に必要な資料購入費・機器購入費・旅費・調査のための旅費、研究成果発表のための学会出張費などに使用するほか、研究成果を広く社会に公表するための費用に充当する。
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