2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24730130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
松本 俊太 名城大学, 法学部, 准教授 (90424944)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リーダーシップ / 政治指導者 / スケジュール / 日米比較 / 新制度論 |
Research Abstract |
(1)アメリカ大統領のスケジューリングのデータ・セットの作成。アメリカ大統領の実際の行動を記録したDairy Diaryについて、歴代大統領のウェブ・サイトからテキストの収集と文献収集を行った。その過程で、同様のデータ・セットを用いた学会報告を発見し、当該の研究者と連絡をとったところ、2~3年以内にデータを公開するとの返答を受けた。この返答を受け、独自にデータを作成する作業を中断し、かわりに、Bill Clinton政権のスケジュールについて既に作成しているデータ・セットの見直しを行った。 (2)政治指導者のリーダーシップに関する文献収集。当初の予定通り行った。 (3)研究会報告。上記の文献収集と、後述の日本のデータの予備的分析を行い、9月に研究会報告を行った。その他に、アメリカの大統領の立法活動に関する論文を執筆し、10月に学会報告を行った。日本の立法と首相のリーダーシップに関する論文を執筆し、2013年に出版予定の論文集に寄稿した。 (4)日本の首相のスケジューリングのデータ・セットの作成。次年度の課題としていた首相のデータ・セットを作成すべく、以下の2つを行った。まず、待鳥聡史・藤村直史作成の「首相動静データ」がカヴァーしていない年代について同様のデータを作成すべく、研究補助員を2名雇用し、この2名と、待鳥・藤村両氏等と1回、補助員2名と1回、それぞれ研究会を開催した。加えて、首相の行動の決定要因を明らかにすべく、首相の記者会見の頻度や各種の文脈的要因(与党議席率・内閣支持率・総選挙からの日数等)を日単位で記録したデータ・セットを作成し、予備的な分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「平成24年度の研究実施計画」からの大きな変更は、アメリカ大統領のデータ・セットの作成を中断したことと、それにかわって、日本の首相のデータ・セットの作成を前倒しさせたことに2点である。それぞれ変更の理由を述べる。 前者の変更を行った最大の理由は、本研究の目的に合致すると思われるデータ・セットが、別の研究者によって2~3年以内に公開される可能性があることが判明したことである。これが公開されない場合は、独自のデータ・セットの作成を再開することが平成25年度以降の課題となる。もうひとつの理由は、独自のデータ・セットの作成のために必要な研究補助員として、適任者が見つからなかったことである。 後者の変更は、前者のデータ・セットの作成を中断したことにより、時間・資金の両面に余裕ができたことが主な理由である。ただし、当初の想定以上にこのデータ・セットの作成に労力がかかることが判明したため、次年度以降もこの作業を継続させる。 文献収集や研究会報告・学会報告については、当初の予定通り行った。研究の方向性については手応えは感じた一方で、今後の研究課題が具体的に明らかになったという意味では意義ある報告を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)アメリカ大統領のスケジューリングのデータ・セットの作成。独自に作成しているBill Clinton政権のスケジュールのデータ・セットを見直す作業を終了させ、後述の論文執筆に用いる。 (2)日本の首相のデータ・セットの作成と再検討。前年度からの継続の課題として、「首相動静データ」の拡充作業と、日単位の首相の記者会見や文脈的要因のデータ・セットの作成作業を行う。 (3)研究会報告・学会報告と論文の執筆。平成25年度以降は、アメリカ大統領のデータ・セット、および日本の首相のデータ・セットを用いて、定量的な分析を行い、論文を執筆し、日米両国において学会報告および査読誌への投稿を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)日本の首相のデータ・セットの作成のため、引き続き研究補助員を雇用し、研究会を開催する。 (2)日米両国のデータ・セットの作成のため、データの基となる記録を記した文献を収集する。 (3)研究会報告・学会報告。論文執筆に必要な文献収集を行う。 (4)研究会や学会への出席に伴って出張を行う。
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