2014 Fiscal Year Annual Research Report
国際紛争における停戦後の平和構築と戦後復興の分析:理論と仮説検証
Project/Area Number |
24730135
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小浜 祥子 北海道大学, 大学院公共政策学連携研究部, 准教授 (90595670)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際紛争 / 停戦 / 資源 / 国際情報交換 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画において平成26年度は理論・実証研究をまとめ数本の研究を仕上げる予定であったが、概ね順調に達成できた。まず前年度に構築した理論に関する統計分析と事例研究を行った。統計分析では停戦と紛争中の資源移動に関するデータセットを構築し、理論の妥当性を統計的に実証した。事例研究では当初は中東紛争についての研究予定であったが、理論との兼ね合いから前年度に事例変更を決定していた。本年度は中越紛争に関する研究を集中的に読了し、中越間の停戦の安定性と領土・資源問題の関連を丹念に執筆した。 さらに理論の発展形として前年度よりKazuto Ohtsuki講師(カーネギーメロン大学)と進めてきた共同研究をさらに発展させ、紛争後の資源利用と紛争中の兵器使用に関する「The Logic of Mass Destruction: A Political-Economic Approach」という論文を概ね完成させた。加えて、紛争及び第三国の関与が発生する過程についても考察する必要があるとの認識から、危機における単独行動に関する『国際危機における単独防衛』を執筆した。以上の研究遂行にあたっては、データセット構築や史料整理のためにRAを雇用した。さらに国内外の研究者と積極的に意見交換を行い有益な助言を得ることもできた。 また本年度は論文の執筆・発表・公刊も目標であった。まず研究を中国復旦大学で報告した後、『Peace and Violence after Conflict』という約150頁の成果としてまとめ、米国ヴァージニア大学より博士号(国際関係)を授与された。またOhtsuki氏との共同研究についても国内外の学会で発表の機会を得た。論文執筆後は本研究費から英文校正を依頼した。英文学術誌での成果発表には時間がかかるので本年度中に実績として出せなかったが継続課題としたい。
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Research Products
(5 results)