2015 Fiscal Year Annual Research Report
日本の「非核」政策の形成過程における政治・外交・社会運動の相互作用の実証研究
| Project/Area Number |
24730136
|
|---|
| Research Institution | Fukushima University |
|---|
Principal Investigator |
黒崎 輝 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (00302068)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | 国際政治史 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は史資料調査を進めながら、研究成果を発表する準備に取り組み、その一部は学会誌に掲載された査読論文の作成に生かされた。また、商業出版された事典の数項目を本研究の成果を活かして執筆した。さらに、研究成果の一部は、米国の研究機関が開催した国際学術ワークショップにおいて発表した。
史資料調査は国内外で実施した。12月には米国立公文書館（カレッジパーク、メリーランド州）で米政府文書の調査を行った。今回の調査では1950年代中葉から60年代前半の日米関係に関する文書群を調査対象とし、主に原子力問題や核実験問題に関連する文書群、並びに日米安全保障・防衛関係に関する文書群を調査した。これらは、原子力開発や核実験問題をめぐる日米両国の政治外交過程や、米国の核軍事戦略の中の日本の位置付けや役割の実証的解明に不可欠の史料であり、本研究の遂行にとって有意義な調査となった。
史資料調査と並行して、研究成果の公開にも努めた。まず、60年代の日本核武装研究の歴史的意義を検証した査読論文が学会誌に掲載されたが、その作成に当たって日本の原子力開発に関する研究調査の成果を利用した。また、商業出版された事典の編集・執筆に関わり、本研究の成果の一部に基づいて、日本の平和運動や核政策に関する数項目を執筆した。さらに、米国の研究機関Wilson Centerと韓国の慶南大学校が共催した国際学術ワークショップに招待され、本研究の研究成果を踏まえて日本におけるニュークリア・ヒストリー（核の歴史）研究の動向を報告した。
公表するには至らなかったものの、国内外で調査した史資料を使い、研究論文の作成に取り組むとともに、本研究全体を取りまとめるための準備も鋭意進めた。
|
