2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24730140
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
大村 啓喬 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (50609344)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 内戦 / 天然資源 / 経済成長 / 東ティモール |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは、天然資源を既存研究よりも詳細(種類別・性質別)に分類し、内戦との関係を計量・事例分析を通して明らかにしようとしたものである。 最終年度である26年度では、東ティモールを対象とした事例研究を進めるとともに、計量分析の分析結果を学術雑誌に発表する点に労力を費やした。具体的には、(1)天然資源と第三者の内戦への介入に関する論文、(2)天然資源と内戦の継続期間に関する論文、(3)石油資源と内戦の発生に関する論文、以上3点の英語論文を作成するとともに、国際誌へ投稿(投稿準備)し、また国際学会(the Conflict Research Society)での発表も行った。また、東ティモールの事例分析として、天然資源への依存が内戦後の平和構築に及ぼす影響について分析を進めた。 論文(1)では、大国や隣国などが内戦に介入する際の意思決定に内戦国が有する天然資源が大きな影響を与えていることを明らかにした。また、論文(2)では、豊富に存在する天然資源は、反乱軍の活動を支えるため内戦の継続期間を長くするとの従来の説明に対して、内戦の終わり方(軍事勝利、和平合意、休戦など)を分析に含めることで、内戦の終わり方によって天然資源が早期の終結をもたらす場合があることを明らかにした。論文(3)では、石油資源が内戦と経済成長に与える直接的影響と、経済成長(内戦)を通して内戦(経済成長)に与える間接的影響の二つの経路があることを明らかにした。
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