2012 Fiscal Year Research-status Report
日英同盟の衰退過程に関する実証的研究-国際的要因・世論要因・経済要因の連関-
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24730141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奈良岡 聰智 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (90378505)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 外交史 / 国際関係史 / 日英関係史 |
Research Abstract |
本研究は、日英同盟がなぜ、どのようにして廃棄に至ったのかを実証的・多面的に解明するものである。本研究では、国際的要因、世論要因、経済要因という三つの視角を立て、戦前期日本外交の基軸であった日英同盟が崩壊し、日本が国際的に孤立していった要因について新たな解釈を提示すると共に、その歴史的経験を今日的視点から捉え直すことを目指す。 本年度の成果は、以下のとおりである。(1)海外の一次史料収集に力を入れ、以下の諸機関で資料調査を実施した。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス図書館、オックスフォード大学ボードビリアン図書館、ケンブリッジ大学チャーチル・アーカイブスセンター、バーミンガム大学図書館、シェフィールド大学図書館、英国公文書館、英国王立文書館、英国議会文書館、ジャパンソサエティー図書館、スコットランド国立図書館(以上イギリス)。ベルリン国立図書館、フライブルク大学図書館、クレーフェルト市文書館(以上ドイツ)。ニューサウスウェールズ州立図書館(オーストラリア)。(2)第一次世界大戦勃発時の在ドイツ日本人の動向に関する研究を進め、その成果を単著『「八月の砲声」を聞いた日本人』として公刊した。(3)日本学術振興会ロンドンオフィスにおいて、日英の皇室外交に関する講演を行った。(4)日本英学史学会において、陸奥宗光・廣吉とイギリスの関わりに関する講演を行った。(5)日本政治学会において、第一次世界大戦に関するパネルの司会を担当した。(6)加藤高明の伝記的研究を進め、論文「加藤高明と陸奥廣吉」を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イギリス、ドイツ、オーストラリアにおいて資料調査を実施し、多くの一次史料を発見すると共に、その成果の一部を単著として公刊することができたため、研究は順調に進んでいると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も引き続き海外での資料調査を行い、アメリカ、イギリスなどの一次史料を収集する予定である。また、その成果に基づき論文の執筆を行うと共に、それを研究書として公刊する準備を進めていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、アメリカにおける資料調査のための旅費、図書購入費、資料複写費、研究補助者への謝金などに充当する予定である。
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Research Products
(8 results)