2013 Fiscal Year Research-status Report
日英同盟の衰退過程に関する実証的研究-国際的要因・世論要因・経済要因の連関-
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24730141
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奈良岡 聰智 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (90378505)
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Keywords | 外交史 / 国際関係史 / 日英関係史 / 第一次世界大戦 |
Research Abstract |
本研究は、日英同盟がなぜ、どのようにして廃棄に至ったのかを、国際的要因、世論要因、経済要因という三つの視角を立てて、実証的・多面的に解明するものである。今年度も、昨年度に引き続き、国内外において一次史料の収集を進めた。国内においては、国立国会図書館、外務省外交史料館、防衛省防衛研究所図書館など中央の史料に加え、青森県立図書館、岩手県立図書館、原敬記念館、茨城県立図書館、愛知県立図書館など、地方の史料をも積極的に収集した。海外においては、中央研究院(台湾台北市)において一次史料の収集を行った。 本年度は、昨年度の成果を踏まえ、第一次世界大戦期に日英同盟が動揺したプロセスに特に集中して研究を進めた。具体的な研究成果は、以下のとおりである。(1)第一次世界大戦への日本の参戦をめぐる過程を再検討し、論文「参戦外交再考」を公表した。(2)第一次世界大戦期の日本の外交世論を、大隈重信首相、立憲同志会、財界の動向に注目しながら検討し、論文「第一次世界大戦初期における日本の外交世論」を公表した。(3)中央研究院(台湾台北市)主催の国際シンポジウム「日本近代におけるリーダー像」において、第一次世界大戦勃発時の加藤高明外相のリーダーシップに関する研究報告を行い、台湾の研究者と議論や意見交換を行った。(4)第一次世界大戦初期の日本外交、第一次世界大戦期の原敬の外交指導に関する論文執筆を進めた。これらの論文は、2014年度中に公刊される見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度、25年度に行った資料調査を踏まえ、その成果を着実に論文として公表できたため、研究は概ね順調に進んでいると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、昨年度予定していたアメリカでの資料調査を実施する予定である。また、ドイツ、イタリアでも資料調査を行う。来年度は最終年度であるため、研究成果の公表にこれまで以上に積極的に取り組む。まず、日本、ドイツ、スロヴェニアで開催される国際学会、講演会で報告・講演を行う予定である。また、第一次世界大戦期の日英同盟の動揺に焦点を当てた論文を公表するとともに、それを著書としてまとめる作業に取り組む予定である。
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Research Products
(5 results)