2013 Fiscal Year Research-status Report
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24730142
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安藤 友香 (安藤 友香) 大阪大学, 国際公共政策研究科, 助教 (90610254)
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Keywords | 平和構築 / 制度変化 / 治安部門改革 / SSR |
Research Abstract |
「外部関与」が裨益国の「制度の展開」にいかなる影響をもたらすのか、平和構築における「治安部門改革(Security Sector Reform: SSR)」の事例を扱いながら、理論と実証の両面からそのメカニズムを明らかにするという本研究の目的に照らして、平成25年度には前年度の研究実績を踏まえ、理論分析を深めると同時に、主に実証面での研究に力を入れた。 具体的には、二年度目となる本年度は、昨年度より着手している本件研究対象である東ティモールの事例検証に本格的に取り組んだ。特に、東ティモールでの警察制度構築における現地政府のオーナーシップと外部関与との間に生じるジレンマに注目して分析を行い、論文を一本発表した。オーストラリアへ渡航して行った調査においては、東ティモールで展開されたPKOやNGO関係者らへの聞き取りを実施し、また、同地ではSSR研究者や実務者とも意見交換や文献・資料収集をする機会を得ることが可能となった。以上述べたように、事例研究については、当初、計画したとおり東ティモールの事例検証をほぼ終了し、もう一つの本プロジェクトの研究対象であるコソボの警察制度構築の事例についても文献収集や先行研究のまとめに着手することができた。 また、理論面の研究については、昨年度に引き続き、文献資料を読み込みながら、前年度に作成した分析枠組み試案を本年度の事例研究の結果を受けて修正を加えるなどした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究では、本件研究全体で取り扱う事例検証の半分以上を終了する等、おおむね順調に研究を進めている。海外渡航について、当初予定していた実施時期等に変更があったため平成25年度の研究費に未使用額が生じたが、次年度に実施することで研究全体の遂行においては特に問題ないものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本プロジェクトの最終年度にあたる平成26年度は、引き続き調査研究に力を入れる一方でその成果の取りまとめや公表に取り組む予定である。調査研究の面では、残りの事例検証を進めるために海外への渡航、資料収集を予定しており、事例検証の分析を踏まえて理論面の精緻化を図る。これらを取りまとめ、学術誌への投稿および学会発表等を積極的に行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進捗具合より本年度は一件の事例研究(東ティモール)に特化して取り組む方が効率的だと判断し、当初予定していた海外渡航の一部(コソボに関連する調査等)の実施時期を次年度に変更したため平成25年度の研究費に未使用額が生じた。 主に以下の通り研究費を使用する計画である。 ①海外渡航費:コソボの事例研究に必要な調査旅行(欧州、米国を予定)および、海外でのシンポジウム・研究会等への出席。②国内旅費:国内の学会・研究会等への参加。③消耗品:本研究に関連する平和構築や制度研究の書籍、文具代等。④人件費:インタビュー協力者への謝金、資料整理のために雇用するアルバイト人件費。⑤その他:論文投稿にかかる費用(英文校正費等)、通信費等。
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Research Products
(1 results)