2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24730154
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
妹尾 哲志 専修大学, 法学部, 准教授 (50580776)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 冷戦史 / ドイツ外交 / 東方政策 / 国際関係論 / 外交史 / 国際政治 / ヨーロッパ政治 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
初年度は、交付申請書に記載した計画に沿って、まず現地調査及び関連資料や文献の収集に取り組んだ。2012年8月~9月のドイツでの現地調査では、第一次史料や文献について文書館等での史料調査を行った。当該研究テーマに関しては、既に史料集が公刊されているものの、それらは限定的な形であり、現地での未刊行史料を調査することで、公刊史料だけではうかがい知れない外交交渉や政党間の意見調整に関する貴重な知見を得ることができた。また現地調査の一環として、より効果的な史料収集のためにも、文書館の専門家や本テーマに関わる研究者とのコンタクトを図り助言を求めた。とりわけキリスト教民主同盟(CDU)の個人文書や党議事録が所蔵されるボン近郊アデナウアー財団の文書館において、当該研究テーマに関する重要な史料集の編集に携わる専門家とコンタクトが取れ、史料収集について有益なアドバイスを得ることができた。さらには、国際学会の報告のために訪れたクロアチアのザグレブにおいて、当該研究テーマに関して専門家から貴重なアドバイスを得ることができた。またドイツでの現地調査と並行して、日本において、研究目的で挙げた三つの視座に関連する文献の収集・分析を行った。 これらの現地調査や日本での文献収集・分析に加えて、当該研究に関連するテーマについて国際学会等で研究成果を報告した。とりわけ2012年9月にセルビアのベオグラードとクロアチアのザグレブで行われた国際セミナーでは、当該研究テーマを含むドイツ外交に関する報告を行い、また日本国内でも研究会報告を行うなど研究成果を発表した。さらには当該研究テーマに関連して、戦後ドイツの国境問題と独米関係に関する論考を英語にて発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は交付申請書に記載した計画に沿って、まず現地調査及び関連資料や文献の収集に取り組んだ。具体的には2012年8月~9月の現地調査で第一次史料や文献について次の文書館等での史料調査を行った。すなわち、ドイツ社会民主党(SPD)の代表的な政治家の個人文書や未刊行史料の所蔵されるドイツ・ボンのフリードリッヒ・エーベルト財団の文書館、政府関係者の個人文書や首相府等の省庁の未刊行文書が所蔵されるドイツ・コブレンツの連邦文書館、キリスト教民主同盟(CDU)の個人文書や党議事録が所蔵されるボン近郊アデナウアー財団の文書館、そして未刊行の外交文書が所蔵されるドイツ・ベルリンのドイツ外務省文書館や連邦文書館である。さらに申請者がかつて留学していたボン大学の図書館で文献収集及び複写を行った。また現地調査の一環として、文書館の専門家や本テーマに関わる研究者からアドバイスをいただき、より効果的な史料収集の一助とすることができた。SPDの文書館において複写を依頼していたいくつかの史料が複写許可を得られないなどの問題点はあったが、初年度の現地調査についておおむね順調に進展しているといえる。 次に、日本での関連文献・資料の収集について、ドイツでの現地調査と並行して、日本において、研究目的で挙げた三つの視座に関連する文献の収集を行った。当該研究テーマについては近年一次史料に基づく研究成果が発表されており、それらの収集・分析に取り掛かっている。 そして以上の成果を部分的に公表する形で、セルビアのベオグラードやクロアチアのザグレブでの国際セミナーでの報告を行い、また現地の研究者や専門家らと当該研究テーマについて意見交換を行った。さらには、日本国内での研究会において当該研究テーマに関連する報告を行い、外交史や国際関係論などの専門家と意見交換を行ったことは、次年度以降の研究の推進に向けても有益であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は次の研究の推進方策を予定している。まず、前年度に取りかかったドイツでの現地調査及び関連資料や文献収集に引き続き取り組む。またこれと並行して日本での関連文献・資料も継続して収集する。次に、これらの作業を踏まえたうえで、収集した史料による時系列的整理及び理論的考察を行う。具体的には、「研究目的」で述べた「外交交渉」、「政党政治」、「国内政治」の三つの視座に関して、それぞれの視座から分析された先行研究の収集・分析を行う。交付申請書にも記載した通り、本研究では西ドイツ外交の視点から大連立政権期の東方政策に注目することから、まずドイツ側の史料や文献を幅広く読み込むことが重要である。 そして研究成果の報告及び発信としては、前年度同様に予定されているセルビアのベオグラードなどの国際セミナーにおいて、当該研究テーマに関する報告を行い、また日本国内での学会や研究会に積極的に参加して専門家との意見交換を継続発展させていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|
Research Products
(9 results)