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2012 Fiscal Year Research-status Report

貨幣錯覚が労働市場に与える影響に関する実験研究

Research Project

Project/Area Number 24730169
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionTakasaki City University of Economics

Principal Investigator

山森 哲雄  高崎経済大学, 経済学部, 講師 (50552006)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords貨幣錯覚 / 労働市場 / 実験経済学
Research Abstract

本研究の目的は、貨幣錯覚が労働市場における賃金決定過程に及ぼす影響を経済学実験によって検証することである。ここで、貨幣錯覚とは、貨幣の実質的な価値を無視し、額面上の貨幣額に注目して意思決定をする傾向を記述する一般的な用語である。
今年度実施した実験では、貨幣の実質価値を無視することを、人々が合理的に選択している可能性について検証した。物価変動に応じて貨幣の実質価値を計算することは心理的なコストを伴う。したがって、貨幣錯覚によって生じる損失がそのコストを下回るのであれば、実質価値を無視して意思決定を行うことは合理的であるといえる。公表前であるため詳細は割愛するが、実験結果は人々が合理的に実質価値を無視しているという仮説と整合的であった。
人々が貨幣錯覚に陥る理由として、認知上のバイアスや損失回避、アンカーリング効果など、これまで様々な心理的要因が挙げられてきた。すなわち、貨幣錯覚は人間の非合理性によって引き起こされると考えられてきたのである。ところが、本実験が示したように、人々は合理的な判断として貨幣の実質価値を無視している可能性がある。これは、労働市場においても、賃金の実質価値を労働者が合理的に無視することを示唆している。今後は、労働者の互恵的行動がこのような合理的判断とどのように関連するのかについて検証することで、労働市場特有の価格(賃金)決定仮定をより詳細に分析する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画では、貨幣錯覚が労働市場の賃金決定メカニズムに及ぼす影響を検証するため、Gift-Exchange-Gameを基にした実験を今年度に実施する予定であった。ところが、実験直前になり、それまで作成していたZ-tree(実験用ソフト)プログラムに不備が見つかったことから、実験内容を上述した内容に急遽変更して対応した。
年度内にZ-treeプログラムの修正は完了したが、被験者募集期間などを考慮し、実験実施を翌年度に延期することとした。

Strategy for Future Research Activity

今年度に実施した実験のデータ分析と論文執筆、そして今年度見送った実験を次年度の早い時期に実施する。また、当初の予定通り、相対賃金仮説に関する実験を次年度1月に実施する。進捗がやや遅れていることから、平成26年度に予定している実験を期間内に実施できない可能性があるが、それまでに実施した実験それぞれを別の論文として期間内にまとめることで、本研究の成果を残すことについては支障はないと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度の未使用額は予定していた実験を見送ったために生じたものである。プログラムの不備はすでに解決しているため、次年度の早い時期にこの実験を実施する。プログラム作成費はすでに支出済みであるため、繰り越した経費は実験用備品、実験スタッフと被験者の謝金に使用する予定である。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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