2013 Fiscal Year Annual Research Report
景気循環における雇用・失業変動についての理論・実証分析
Project/Area Number |
24730179
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
宮本 弘暁 国際大学, 国際関係学研究科, 教授 (10348831)
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Keywords | 経済理論 / マクロ経済学 / 労働経済学 / 失業 / サーチ理論 / 景気循環 |
Research Abstract |
当該研究の目的は景気循環上の雇用・失業変動を実証分析により明らかにし、その背後にあるメカニズムをマクロ経済学において労働市場全体を分析する際の標準的な枠組みを提供しているサーチ・マッチング理論を用いて体系的に分析することである。サーチ・マッチングモデルを用いて労働市場の循環変動について分析を行う研究の多くではカリブレーションによりモデルのパラメータを決定した後、モデルの数量的特性を分析するのが通常である。しかしながら、いくつかの先行研究が指摘している様にカリブレーションによりモデルのパラメータを決定する方法には問題もある。そこで、平成25年度は、日本の労働市場における景気循環上の労働市場の動きがサーチ・マッチングモデルによってどの程度、説明できるのかをサーチモデルの構造推計を行うことで分析した。この研究は “An Estimated Search and Matching Model of the Japanese Labor Market”としてまとめ、査読付き国際学術雑誌Journal of the Japanese and International Economiesに掲載された。 また、景気循環上の雇用、失業変動と経済政策の関係を考えることは学術的のみならず政策的にも重要なテーマである。財政政策の重要な役割のひとつとして景気対策があげられるが、近年、財政政策が雇用に与える影響について欧米諸国を中心に研究が進められつつある。平成24年度に整理したデータを用いて、財政政策が労働市場に与える影響について時系列分析の手法である構造型VARモデルを用いて実証分析を行い、そこで明らかとなった事実の背後にあるメカニズムを失業が存在する動学的確率的一般均衡(DSGE)モデルを用いて理論、数量的に分析した。この研究は“Fiscal stimulus and labor market dynamics in Japan”としてまとめ、査読付き国際学術雑誌Journal of the Japanese and International Economiesに掲載された。
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Research Products
(8 results)